大山悠輔「阪神残留」を決定づけた「裏方さん」とのきずな…“打撃開眼”までの猛練習を支えた影のキーマンとは

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誰もが疑わなかった巨人入り

 日本中のトラ党が胸を撫でおろし、歓喜の思いに沸いたことだろう。国内フリーエージェント権(以下FA)を行使し、去就が注目されていた大山悠輔(29)の阪神残留が決まった。

 FA移籍する選手の去就が決まるのは例年12月に入ってからだが、大山の残留が正式に決まった11月29日の昼過ぎ、一部ネットメディアで「大山、阪神残留」の一報が流されると、後追い報道も出て、ネット上も騒然となった。

「正直、驚きました。既に、6年総額24億円超の条件を提示したとされる、巨人へ移籍するのは確定的と考えていました。大山がFA宣言したのは11月13日。それから僅か3日後の16日には『来季の正一塁手候補』として、前エンゼルスのケストン・ヒウラ(28)の獲得調査に球団が乗り出していることが報じられました。阪神は他球団と交渉した後の宣言残留も認めていますが、“大山流出”に備えた動きを球団がしているのだろうと考えていましたから」(スポーツ紙記者)

「ウチにきて世紀の大FAの先駆者になって欲しい」

 と語った阿部慎之助監督(45)はじめ、主力選手たちも大山の移籍を歓迎するコメントを相次いで出していた。なかでも、移籍が実現したら4番の座を争うことになる主砲の岡本和真(28)は、

「ジャイアンツに来られるとなれば、同じ右バッターとして二人で高め合いたい、競い合う 気持ちもある」

 という発言まであり(11月26日)、「大山の巨人移籍は確実」と見られていた。それが、ここにきてなぜ、5年総額20億円規模で阪神残留となったのか――。

 思い返せば、大山残留を示唆するような出来事は確かにあった。

 阪神では過去、FA権を行使した選手は、あるイベントへの参加を見送ってきた。14年に海外FA権を行使して結果的に宣言残留した鳥谷敬氏(43)もそうだった。だが、11月23日に行われた“ファン感謝デー”に、大山は姿を見せていたのである。

「ファンの混乱を心配する声も聞かれましたが、批判的な野次は出ませんでした。何より、いちばん大きな拍手が湧いたのは、選手入場で大山が登場したときでした。詰めかけたファンも、大山は巨人へ行くだろうと思っていたでしょうから、姿を見せたことに大声援で応えたのです」(在阪記者)

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