給付金詐欺でガサ入れの「革マル」の珍妙な主張 背景に過激派の厳しい現状が… 「高齢の労働者ばかり」「大学からも排除」
相変わらず、というべきだろう。11月12日、警視庁公安部の家宅捜索を受けた革マル派。コロナ対策の給付金などを不正に受給した“詐欺容疑”である。革マルはすかさずデッチ上げだと反論したが……。
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1963年に結成されて以来、今も活動を続ける過激派の革マル派。70年代には、凄惨なリンチ事件や内ゲバを繰り広げた屈指のコワモテだが、久しぶりにその名を目にした向きも多かろう。
警視庁による革マル派へのガサ入れは、7年ぶり。男女計4人、早稲田大学と國學院大學の学生がターゲットで、2022年以降、受給資格がないにもかかわらず給付金を申請し、数十万円を得て、組織の活動資金にした疑いがあるという。
ガサの翌日、革マル派は拠点の「解放社」にて記者会見を開いた。その名も「弾圧対策部」の担当者は、
「受給資格のある人に郵送される申請書を送り返しただけで、不正ではない」
「裏金にまみれて批判の集中砲火を浴びた石破自民党がデマを流し、国民の目をそらそうとしている」
などと主張し、今回のガサ入れを“自民党の悪あがき”と糾弾。おまけに、
「下世話な話になりますが、玉木(雄一郎)国民民主党のスキャンダルも、自民党の悪あがきのひとつ。首班指名を前にしたタイミングで、ああいう暴露があった」
と、話題の“不倫ネタ”を交えて持論を展開する。
不可解なロジックは健在
同派は、なんでもかんでも“国家権力の謀略”に帰することで知られる。1997年の神戸連続児童殺傷事件に際して“少年Aの冤罪”を訴えたのが有名だが、不可解なロジックは健在だ。
また、会見にはガサ入れされたという学生も出席し、
「学生なので教科書を買わないといけないんですけど、英語の教科書でも1冊3000円とか、すごく高い。なので、給付金ありがたいな、助かるな、と思って使わせていただきました」
さらに別の学生が、ワンコインで食事にありつけない苦境を述べたあと、
「学生たちの窮状、私たち日々聞いておりますので、革マル派として上納はあり得ません」
そう「弾圧対策部」は締めくくるのだった。
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