「ビッグネーム」移籍の噂も…PGAツアー縮小を尻目に、拡大をチラつかせる「リブゴルフ」の意図は

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14番目のチーム誕生の噂も

 アジアツアーのインターナショナル・シリーズからは、ワトソンらが奮闘しているものの、現在トップを走っている米国人選手のジョン・カトリンが来季のリブゴルフへ昇格することが、ほぼ確定しつつある。

 こうして見ると、2025年のリブゴルフに新たに参戦しそうな「新人」の候補は、移籍すると思われるビッグネームが1名あるいは2名、トップアマが数名、アジアの賞金王といった面々と言うことができ、現存の13チームだけでは受け入れきれないと思われる。

 だからなのだろう。米ゴルフ界では「リブゴルフには14番目のチームが作られる」という噂が広がり、そこに目を付けたのが、PGAツアーやDPワールドツアーなど、リブゴルフ以外のツアーで戦う選手のエージェントだ。

「チームが1つ増やされたら、空き枠ができるのではないか?」
「もしかしたら15番目のチームもできるのでは?」
「ウチの選手が移籍するとしたら、どんな内容の契約になる?」
「移籍料はいくらぐらいをオファーしてくれる?」
「契約期間は何年ぐらい?」

 そんな問い合わせが、今、リブゴルフに殺到しているのだそうだ。

PGAツアーの縮小と“連動”するのか

 とはいえ、現時点では2025年シーズンの日程で発表されているのは、14試合中10試合のみ。残る4試合の開催地や開催コースは、依然として未定のようである。

 だが、リブゴルフはこれまでもツアー日程が流動的な中でシーズンをキックオフし、最終的には当初の予定通りに大会を開催してきた。そんな過去の例を振り返ってみると、この時期に来季の大会の開催場所や日程が10試合も確定していることは、むしろ「画期的」「大躍進」とさえ感じられる。

 何より注目すべきは、PGAツアーが2026年からの縮小策を決定し、シード選手の人数も、下部ツアーやQスクール(予選会)からの昇格人数も、試合出場者数も、すべて減らす方向だというタイミングで、リブゴルフが拡大傾向をちらつかせている点だ。

 どんな選手が新たにリブゴルフへ移籍するのか。チーム数がいくつになるのか。まだまだ不確定要素は多々あるが、とにもかくにも創設から早くも4季目となるリブゴルフの2025年シーズンは、来年2月からサウジアラビアで始まる。

舩越園子(ふなこし・そのこ)
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。1993年に渡米し、在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。『王者たちの素顔』(実業之日本社)、『ゴルフの森』(楓書店)、『才能は有限努力は無限 松山英樹の朴訥力』(東邦出版)など著書訳書多数。1995年以来のタイガー・ウッズ取材の集大成となる最新刊『TIGER WORDS タイガー・ウッズ 復活の言霊』(徳間書店)が好評発売中。

デイリー新潮編集部

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