「ビッグネーム」移籍の噂も…PGAツアー縮小を尻目に、拡大をチラつかせる「リブゴルフ」の意図は
リブゴルフへの移籍について問い合わせ殺到
サウジアラビアの政府系ファンド「PIF(パブリック・インベストメント・ファンド)」が支援するリブゴルフは、2024年シーズンの14試合をすべて終了。2025年シーズンも14試合となる見込みで、序盤から中盤の10試合の日程はすでに発表済みである。
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そんな中、リブゴルフのGM(ジェネラル・マネージャー)の1人が「(PGAツアーの)選手のエージェントから問い合わせの電話が殺到している」と、米誌「スポーツ・イラストレイテッド」の記者に明かしたという。
今年9月に米テキサス州ダラスで開催された2024年シーズン最終戦、チーム・チャンピオンシップ・ダラスが終了するやいなや、リブゴルフには問い合わせの電話が次々とかかり、同GMは「私のスマホが鳴りっぱなしだ」と語ったそうだ。
「問い合わせ」の内容は、言うまでもなく、リブゴルフへの移籍の可能性や契約条件に関することである。
「まだチーム入りできる余地はあるのか?」
エージェントがそう尋ねる背景には、リブゴルフのシステムが、なんとも複雑で難解だからだろう。創設当初から現在までに、システムのさまざまな変更も行われているため、外部の人間には、正確な状況把握はなかなか難しい。
リブゴルフの複雑なシステム
2024年シーズンを終えて、リブゴルフ独自のポイントランキングで上位48名に入った選手は、いわゆる「シード選手」とみなされ、来季の参戦そのものは安泰である。
しかし、25位から48位は「オープンゾーン」と呼ばれ、決まったチームに属さない位置づけとなる。その中で、元のチームや新たなチームから勧誘があれば、来季はそのチームの一員として参戦することも可能となる。日本の香妻陣一朗はオープンゾーンで今季を終えたため、このパターンに当てはまる。
一方で、どこのチームにも属さない完全なる「フリー」として来季の試合に臨むことも可能ではある。
49位以下は、ざっくり言えば「シード落ち」なのだが、アジアツアーのインターナショナル・シリーズやリブゴルフ独自のQシリーズ(予選会)からの敗者復活の道も、わずかながらある。
そして、チームのキャプテンを務めている選手は、シード落ちしても去る必要はない。それゆえ、フィル・ミケルソンやリー・ウエストウッド、イアン・ポールター、マーティン (マルティン)・カイマー、ヘンリック・ステンソンといったキャプテンたちは、シニア年齢になっても、あるいは成績が下降しても、今後もずっとリブゴルフと関わり続けていくと思われる。
バッバ・ワトソンも、その1人だ。フランチャイズ化されているチームの経営・運営に携わるというビジネス目的で、来季もリブゴルフで過ごすことが可能である。しかし、それでは嫌だと言わんばかりに、ワトソンは自主的にアジアへ赴き、そこで賞金王になってリブゴルフにプレーヤーとして返り咲こうと奮闘していた。
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