国立大に不合格で「18年間の期待を裏切った」と言われ…アダルトチルドレンだった「東ちづる」が母とわかり合うまで
「自分の仕事」をしたい
「人生、もう終盤です」と語る俳優でタレントの東ちづる(64)。これから、どう生きていこうと思っているのか。東は趣味でも旅行でもなく、「自分の仕事をすごくしていきたいですね」と言った。その「仕事」とは「自分の言葉で表現する仕事ですね。ラジオですとか、情報番組とか。自分を発信していくこと」だという。(全4回の第4回)
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俳優として、数え切れないほどのドラマや映画に出演してきたが、演者としても、やりたい役を構想していた。
「たとえば歳をとった役とかしたいですよね。同世代の、今の世の中のそこここにいる女性を演じてみたいですね。孫のいるおばあちゃん役とか、仕事や趣味を楽しんでらっしゃる方もすてきですけど、私たちの年代って結婚していなかったり、子どもがいなかったりする女性も少なくないですよね。たとえば、おばちゃんたちの詐欺軍団ドラマみたいなのも面白いと思います」
独身のまま50代や還暦を過ぎ、ひとりで懸命に命をつないでいる同世代の女性のことも意識しているようだ。老いて衰えていく自分を見つめ、雀の涙ほどの年金や貯金で食いつなぐ。閉店前のスーパーに行って、売れ残って安売りされている総菜などを買い求め、それで翌日1日の食事としているような女性像だ。
コロナ禍の2020年11月には、路上生活の60代女性が都内のバス停で男に突然殴られ、死亡した事件があった。劇団に所属していた元女優で、カメラに向かって微笑む希望に満ちた若かりし頃の写真が見つかった。亡くなった時の所持金は、わずか8円。そんな同性の人生にも、東は無関心でいられないのだろう。
アクティブシニアであろうと、迫りくる死から免れることはできない。長生きできても、伴侶や親の介護を背負うシニアもそこここにいる。親や親族との不和に悩み、突き詰めれば幼い頃のトラウマもまだ心に傷となって、残っている。東もそうだったことを明らかにしている。
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