東ちづるが自身の社会貢献活動を「一刻も早く辞めたい」と語る理由 「楽しいところに人は集まる」

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「分断が深刻」

 そう東は言ったあと、こう付け加えた。

「でも、分断が深刻ですよね。社会と反比例するように自死が増え、子どもが亡くなる大きな原因になっている。便利になればいいってものじゃないなあって感じですね。若い人たちが将来などへの不安を抱えていることに対しては、『ごめんなさい』という気持ちですし、自ら命を絶ってしまうのはとても辛いです。

 希望を持てなくなっている今の世の中というのは、私たち大人がバブルなんかに浮かれて、ちゃんとした社会を彼らに残せなかったからだと、責任を感じています。その贖罪意識を強く持っているから、今の活動をしているという部分も大きいんです。私たちの世代は10代や20代の頃、今の若者に比べたら、将来への不安なんかなかったに等しい。お金なくても何とかなると思えましたから。

 お金なくても大丈夫だよって今の若者にも言いたいけど、そうはなっていないですよね、今の社会は。最低限、生きていれば何とかなるという世の中であるべきですし、そうしていきたい。なっていないのは本当におかしいと思います」

 SNSでの次のメッセージは東の若者へ向けた思いなのだろう。

≪何度でも言う。私たちは、『社会の役に立つ』ために生まれ生きてるわけじゃない。社会の役に立たなければ生きる価値がないなんて流れをつくっちゃいけない。誰もハッピーにしない。全ての人の不安を煽るだけ。『人の役に立つ社会』がいい。自分や他者を大切にしながら生きるほうがラクだし≫

 人生100年時代とされるなか、トレーニングで若さと元気を保ち、活き活きとしたアクティブシニアの鏡にも見えるが、「もう人生終盤ですよ」と東はきっぱりと言い切った。

「やりたいことをやれる時間を考えると、もう終盤ですよ。その先も生きるかも知れないけれど、10年くらいじゃないですか」

 第4回では、大学受験で第一志望に不合格だった時に母から言われた驚きの言葉、母との現在の関係について語る。

■東ちづる
広島県尾道市因島出身。俳優、タレントとして幅広く活動。一般社団法人「Get in touch」の代表を務める。自身が企画・プロデュース・出演の映画「まぜこぜ一座殺人事件~まつりのあとのあとのまつり~ 」が全国順次公開中。近著に、自ら描いた妖怪61体を社会風刺豊かに解説した『妖怪魔混(まぜまぜ)大百科』。

デイリー新潮編集部

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