東ちづるが自身の社会貢献活動を「一刻も早く辞めたい」と語る理由 「楽しいところに人は集まる」

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大いに笑って面白がって

 もっともその活動は鯱張ったものではない。今年6月にLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で行った「1年に1度の1夜限りの『まぜこぜ一座』公演」も、明るく華やかで、多くの観客を楽しませた。

「長年いろんなボランティアをしてきて、わかったのが、楽しいところに人は集まるということです。啓発イベントだなんて銘打ったら、誰も来てくれませんよね。大いに笑って、面白がっていたら、最後にテーマが胸に残っているというのを目指しています。人権意識や福祉への理解度の低さは人ごとではないですよね。それらが自分ごとだってことを知ってもらえたらいいと思っています」

 この活動は「まぜこぜの社会」をゴールにしているため、「もう一刻も早く辞めたいです」と笑った。

 東たち昭和世代は学校で、日本は世界一平和で豊かな国であると教わり、未来は果てしなく明るいというイメージを多くの子どもたちは持っていた。鉄腕アトムが空を飛 ぶような未来図は夢物語にしても、高齢者や弱者を狙った詐欺や事件が日常茶飯事となり、年間約2万人もの自殺者を出す国になるとは誰が想像しただろうか。

「世の中は良くなっている部分はあると思いますよ。交通インフラは整備され、医療は進化し、寿命も延び、スマホが発明され、ネットでいろんな情報に簡単にアクセスできるし、パワハラという概念すらなかった時代が終わり、コンプライアンス重視やハラスメントへの対策も進められています。

 凶悪な事件は昔からありました。昔も今もそれは変わらないと私は思っています。芸能界でひどいセクハラが横行していても、昔は声をあげることすらできなかったと聞きます。幸い私は被害に遭いませんでしたけど、そんな芸能界でも経済を回す効果もあるし、セクハラ込みの必要悪のように見られていた時代からは進んだとは言えると思います」

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