東ちづるが自身の社会貢献活動を「一刻も早く辞めたい」と語る理由 「楽しいところに人は集まる」
「Get in touch」の代表
夫の難病に夫唱婦随で立ち向かい克服した俳優でタレントの東ちづる(64)。長年、続けてきたボランティア活動から、一歩踏み込んで「どんな状態、どんな状況でも、誰も排除しない『まぜこぜの社会』がいい。誰もが支え合える社会であるべき」と思い立って設立したのが一般社団法人「Get in touch」だ。その活動の一環として「まぜこぜ一座」を旗揚げした東は、自身が企画・プロデュース・出演する映画「まぜこぜ一座殺人事件~まつりのあとのあとのまつり~」をひっさげて、2024年秋から日本全国を飛び回っている。(全4回の第3回)
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「お客様の反響は上々で、ものすごく長いメールをいただいたりするんですよ。ひとりでも多くの方に見てもらうと、皆、楽になるのにって」
そのメッセージはこうだ。
≪『こびと』が放送自粛用語なのはナゼ? マイノリティパフォーマーは普段から活躍するチャンスがないのは、ナゼ? 30年以上活動していても、このナゼ? はナゾのままです。ならば、自由な表現ができる映画で、ナゾ を面白おかしくエンタメにしよう! と、まぜこぜのスタッフがまぜこぜのキャストと制作しました≫
パンフレットなどでそうコメントしている東は、骨髄バンクを広く知ってもらうためのボランティアを行い、紛争などで危機的状況にある子どもたちを援助するドイツ国際平和村でも活動をし、セクシャルマイノリティ「LGBTQ+」やそのカップルを支援する「アライ(英語で同盟、支援の意味)」でもある。これは安楽死の取材でオランダに行った際、ゲイとレズビアンそれぞれの結婚式に呼ばれて共感したのがきっかけだという。その体験が「Get in touch」設立につながった。
「オランダでの経験はLGBTQの活動をするきっかけで、『Get in touch』の元をたどれば32歳の時、慢性骨髄性白血病を患う17歳の少年との出会いからでした。テレビのドキュメンタリー企画で骨髄移植をすれば助かるチャンスがあると伝えているのですが、お涙頂戴的な演出で、私も泣いたんですけど、本当のメッセージが伝えられていないように思ったんです。顔を出してテレビで病気を公表した少年には、何かメッセージがあったはずなのにって。
連絡先を調べて思い切って電話したところ、日本でも骨髄バンクがはじまり、そのことを知ってもらいたいがために出たことを知りました。しばらくして、少年の妹さんから骨髄バンクを啓発するポスターをつくりたい、私がモデルとなって制作してほしいと手紙で依頼されて、動いたのがはじまりです。気が付いたら、あれから30年以上が経ちました。使命とかいうより、自分や自分の家族、大切な人がどんな状況になったときでも自分らしく生きられる社会がいいって私が思っているからです。『あとでやっときゃよかった』と後悔をしないよう、何もしないよりは活動する方が、気が楽なんだろうと思います」
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