「中森明菜」や「中島みゆき」の人気曲に世代間で大きな差が! 平成生まれのカラオケ愛好家らと、人気の昭和曲ランキングを考察
カラオケ好きの平成っ子らが昭和の楽曲に魅了される“納得の理由”
最後に、昭和の楽曲ならではの魅力を平成っ子の3人に尋ねてみた。
「歌いやすい、覚えやすい、みんなと共有しやすい。私たちはバブルも経験していないし、リーマンショックもあったし、全体にいい思い出がありません(苦笑)。けれど、昭和の楽曲には夢を見ているかのようなワクワク感があります!」(C)
「歌詞や歌い方、編曲のいずれもストレートで、とても理解しやすい。最近の曲は、1番と2番とで曲調がガラッと変わるのも多いですから、歌いにくいんですよ。あと、今は男性ならキー高め、女性ならキュートに、と歌い方がだいたい決まっていますが、当時はみなさん、歌声が個性的ですよね!」(A)
「上位にある昭和楽曲は、どれも歌詞やメロディーが素晴らしいので、半永久的に残っていく気がしました!」(M)
平成世代にとってのカラオケは、“みんなと共有したい”、“みんなと楽しみたい”という要素がいっそう強く、その点で昭和楽曲の覚えやすく、忘れにくい、という楽曲自体の魅力がしっかりと伝わっていることに感動すら覚えた。まさに、昭和楽曲を歌えば楽しさは2倍、悲しみは1/2といったところだろうか。
だからこそ、アーティストたちは、目先の売り上げにとらわれず、時代を超えた名曲を作り続けることを見据えてもらいたい。同時に、彼らが所属する事務所やレコード会社には、楽曲のリバイバルやカバーなどで継続的に、その貴重な財産を丁寧に語り継いでいく義務があると強く感じた。
(取材・文:人と音楽をつなげたい音楽マーケッター 臼井孝)
【参加者プロフィール】
(チマさん・男性) 父親が車や家で大瀧詠一の楽曲を流してかけていたことをきっかけに、昭和の楽曲にハマる。また、自分のお小遣いで『テレビまんが主題歌のあゆみ』、堀江美都子『歌のあゆみ』シリーズなどアニメ関連のCDやレコード、カセットも集め始め、アニメ『さすらいの太陽』のDVDを見てからは、より一層、昭和歌謡に興味を持つように。収集した音盤や動画サイト、CSでの『ザ・ベストテン』(TBS系)や『レッツゴーヤング』(NHK)の再放送などが主な昭和楽曲の情報源。
よく歌う昭和楽曲:男女アイドルソング全般。最多曲は太川陽介「ムーンライト・カーニバル」
(アガサさん・男性) 幼い頃、実家でCSチャンネルやケーブルテレビ契約をしていたことから、昭和アニメのライブラリーを多く観るように。そのオープニングやエンディングのテーマ曲をフルサイズで聴きたいと思い、CDレンタルを始め、だんだんと昭和歌謡曲も聴くようになる。近年のアニソン楽曲も好きで、緑黄色社会「花になって」がお気に入り。
よく歌う昭和楽曲:藤井健「ゴーショーグン発進せよ」(『戦国魔神ゴーショーグン)、ビリー山口「タンサー5のテーマ」(『科学冒険隊タンサー5』)
(マイさん・女性) 幼少期からクラシックの荘厳なメロディーや、絵画・映画が好き。10代のころ、’90年代の楽曲を集めたオムニバスCD『クライマックス ベスト90’sプラチナ』をレンタル。その際、当時発売から10年ほど経っていた今井美樹「PRIDE」に衝撃を覚え、それをきっかけとして、平成初期だけでなく昭和楽曲も聴くようになる。
よく歌う昭和楽曲:松田聖子、山口百恵、中森明菜、アン・ルイスなど女性歌手のポップな楽曲
【INFORMATION】
時かけ会~時をかける平成っ子カラオケ~
昭和期をはじめとする、「古き良き時代の曲」が好きな「平成世代」のためのカラオケ会で、ほぼ月1回のペース(開催頻度は、主催者の都合で変更になる場合あり)で東京近郊に集まり、6時間以上をかけて、思い思いの楽曲を歌うカラオケ・サークル。次回は2024年12月21日(土)に開催予定。 X: @heiseikko24
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