「中森明菜」や「中島みゆき」の人気曲に世代間で大きな差が! 平成生まれのカラオケ愛好家らと、人気の昭和曲ランキングを考察

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平成世代が意外と歌わない昭和の名曲とは? サザンや中島みゆきは平成の楽曲がより人気

 逆に、全年代では人気なのに、平成世代ではそこまで上位とならなかった楽曲もランキング表の下方に並べてみた。全年代で第4位の来生たかお「夢の途中」は、「セーラー服と機関銃」とまったく同じメロディーなのだが、平成世代には浸透していないようだ。

「『セーラー服と機関銃』はドラマや映画の再放送やリメイクを観て知っていますが、『夢の途中』の歌唱映像は観たことがないかも」(A)

 また、イルカの「なごり雪」と太田裕美「木綿のハンカチーフ」は、愛しい人と離れ離れになるというテーマが共有しているが、全年代だと「なごり雪」が19位で圧倒的に強いのに対し、平成世代では「木綿のハンカチーフ」のみが23位にランクインしている。

「どちらも大好きですが、私は『木綿のハンカチーフ』のほうが、テンポ感があって歌いやすいですね。しっとりしすぎるのは、まだ心に響かない年代…ということなのかな? でも、平成世代第14位のPRINCESS PRINCESS『M』は、バラードでも熱唱しちゃいます。自分の思い入れが勝ってしまうのかも(笑)」(M)

 なお、昭和デビューの中島みゆきやサザンオールスターズおよび桑田佳祐のソロ作品は、全年代と平成世代に共通した人気曲がある。ただし、中島みゆきの場合は「糸」「地上の星」「銀の龍の背に乗って」、サザンオールスターズでは、「真夏の果実」「TSUNAMI」、桑田佳祐は「波乗りジョニー」「白い恋人達」「明日晴れるかな」と、共通の人気曲はいずれも平成時代の作品ばかりだ。全年代ランキングでは上位となっている中島の「時代」や「悪女」、サザンの「勝手にシンドバッド」「いとしのエリー」といった昭和楽曲は、平成世代には刺さらないのだろうか。

「単純に、中島みゆきさんもサザンオールスターズも、平成時代の曲のほうが、よく耳にする気がします」(C)

「この2組は、昭和から平成、令和まで活躍しているイメージがありますよね。だから昭和楽曲を楽しみたい時には、あえて聴かないかも」(M)

「中島さんも桑田さんも歌唱力が半端ないので、オリジナルの歌い方に引っ張られないように歌うには、それなりに聴き込むことが必要ですよね? そうすると、やはりリアルタイムでのめり込んでいた時代の曲を歌う傾向が強くなるんじゃないでしょうか」(A)

 他にも、平成世代の女性版ランキングでは、近年のシティ・ポップ・ブームで話題の泰葉「フライディ・チャイナタウン」が第24位にランクイン。こちらが稀代の大ヒット曲である山口百恵「プレイバックPart2」(女性版第22位)と肩を並べているのも面白いし、平成世代第12位(全年代でも10位)の久保田早紀「異邦人」については、3人が「昭和とは意識せずにカッコいい曲と思っていました!」と口を揃えるなど、平成世代ならではの“昭和感覚”は実に興味深い。筆者は昭和の人間だが、こうやって平成生まれのメンバーと話をしてみると、それぞれ独自の解釈で楽しみつつも、名曲であるという感覚が一致する瞬間が多々あることにも心が弾んでくる。読者の方々にも、昭和楽曲を歌ったり聴いたりすることによる、世代を超えたコミュニケーションをオススメしたい。

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