「中森明菜」や「中島みゆき」の人気曲に世代間で大きな差が! 平成生まれのカラオケ愛好家らと、人気の昭和曲ランキングを考察

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 今回も、2024年(令和6年)上半期のカラオケランキング(JOYSOUND調べ)から、平成世代に人気の昭和楽曲について、平成6年度生まれのカラオケ愛好家3人とともに考察する。前編では、平成世代のカラオケ人気ランキング第1位から第3位、および上位にランクインしたアニメとのタイアップ曲を中心に取り上げた。今回は、第4位の楽曲から見ていこう。なお、参加者のプロフィールは文末を参照していただきたい。

女性アイドルの名曲がこぞってランクイン、昭和/平成では人気曲に違いも

 第4位には、レベッカの「フレンズ」、第5位には尾崎豊「I LOVE YOU」が続く。この2曲は、ともに昭和後期にリリースされているが、前者は’99年(平成11年)にフジテレビ系ドラマ『リップスティック』の主題歌に、そして’16年(平成28年)には日本テレビ系ドラマ『MARS~ただ、君を愛してる~』の主題歌にも起用された。また「I LOVE YOU」のほうも、平成になってJR東海や日清食品「カップヌードル」などのCMで使用され、さらに、ダイハツ「TANTO」のCMでは中島美嘉が、ダイドードリンコ「ブレンドコーヒー」のCMではコブクロがそれぞれカバーするなど、いずれも平成時代のタイアップが多い。その影響からか、昭和の楽曲というイメージを持たずに親しんでいるリスナーも多いことだろう。

「この2曲はずっと’90年代の曲だと思っていました。でも『フレンズ』はテンポが良いし覚えやすいので、言われてみたら、昭和の歌という感じがしますね」(マイさん、以下「M」)

「あと、“尾崎豊の世界観やロックが好き”という若いファンも多い気がします。その中で、特に歌いやすい『I LOVE YOU』を選曲する友人も多いですね」(チマさん、以下「C」)

 続いて、第7位には松田聖子「赤いスイートピー」、第8位には薬師丸ひろ子「セーラー服と機関銃」、そして第10位には中森明菜「DESIRE-情熱-」と、’80年代を代表する女性アイドルがこぞってランクイン。特に、中森明菜は第21位に「飾りじゃないのよ涙は」、第24位に「少女A」など、いずれもパンチの利いたアップテンポの楽曲が並んでいる。全年代の人気ランキングでみると、明菜の曲では「スローモーション」「セカンド・ラブ」「難破船」など、バラード系のしっとりとしたナンバーも上位だが、この差はどうして生じているのだろうか。

「カラオケは盛り上がるかどうかも大事。『セカンド・ラブ』や『難破船』もみんな大好きだと思うのですが、私はひとりで聴きたいかも。『スローモーション』も、場がまったりしそうですよね」(M)

「私たちにとっての明菜さんは、カッコいいイメージが強い。対する聖子さんの『赤いスイートピー』は、昭和アイドルの教科書のような名曲ですね。この頃の聖子さんは、ちょっと声がかすれていて、それがまた、たまらないんです。私は、毎年行く夏のコンサートで“赤いスイートピー・ステイック”を振って応援しています!」(C)

 また、ランキング圏外だが、若い世代からは河合奈保子や岡田有希子も好評のようだ。

「他のアイドルの方は、今でもいろんな形で活動されていますが、このおふたりは当時のアイドル姿が伝説として刻まれている印象。可愛くて歌も上手いという、今ではとても貴重な存在だと思います」(C)

 女性アイドルが多いわりに、当時大ヒットした田原俊彦、近藤真彦、少年隊、光GENJIといった男性アイドルは平成世代のランキングに全く入っていないことが気になる。

「その頃の男性アイドルは女性ファンが大半だと思いますが、女性にとって男性ボーカル曲は歌いづらいんじゃないでしょうか。聖子さんや明菜さんは、女性アイドルの中でも同性ファンが多い気がします」(アガサさん、以下「A」)

 大半の男性アイドルはストリーミングサービスで楽曲を解禁していなかったり、公式チャンネルで当時の映像がなかったりすることも逆風となっていそうだ。ちなみに、平成世代の昭和楽曲ランキングの10位相当に光GENJIの「勇気100%」が入っているが、こちらは’93年(平成5年)の作品なので対象外とした。ただ、本作も当時のCDセールス(最高7位、累計11万枚と光GENJIの中で上位TOP20に入らず)以上にカラオケで歌い継がれている、“記憶のヒット曲”と言えるだろう。

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