大ヒット「室井慎次 生き続ける者」に登場した“秋田の古書店”…実は雑司ヶ谷の「映画ファンの聖地」だった!

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

一瞬でもすぐに分かる

 映画「室井慎次」2部作(本広克行監督)が、大ヒットしている。前編「室井慎次 敗れざる者」は10月11日に、後編「室井慎次 生き続ける者」は11月15日に公開され、ともに、興行収入ランキングで1位を独走した。

 人気シリーズ「踊る大捜査線」の準主役、警察庁審議官だった室井慎次(柳葉敏郎)の“その後”を描く、一種の外伝だ。

 警察組織の改革に挑んだ室井だったが、結局、実現できず、失意のまま定年前に退職。故郷・秋田の山奥で、自給自足に近い生活を送っている。映画は、室井の周囲で、かつてかかわった事件に起因すると思われる出来事が頻発し、否応なく巻き込まれていく姿を描く。

 そんな2部作だが、後編のあるシーンで、「あっ」と声をあげたひとがいる。都内に住むフリーライターの40代の女性だ。名画座で旧作邦画を観ることと、古書店めぐりが趣味だという。

「この2部作は、秋田が舞台なんです。で、室井慎次は、犯罪被害者や加害者の子どもを引きとって一緒に暮らしているという設定です。そのなかの高校生の男の子が、読書家でSF好きなんです。その子が、たまった本を、古書店に売りにいくシーンがあるんですよ。その古書店が、わたしの行きつけの店、雑司ヶ谷の『古書往来座』だったんです」

 なんと、秋田が舞台のはずが、古書店のシーンは、東京・豊島区の雑司ヶ谷の店でロケされたらしいのだ。

「あっという間のワン・シーンでしたが、一瞬でわかりました。とても個性的な店内ですから。一瞬、入口ドアの端がかすかに映るので焦りました。というのも、あのドアの外は片側二車線の明治通りで、車がバシバシ通っています。設定では、冬の秋田のはずですので」

 実は、この「古書往来座」は、映画ファンの間では有名な店だった。

「地方から訪ねてくるお客もいるほどです。そういうお店で、わざわざロケするなんて、この映画のスタッフはわかっているなあと、うれしくなってしまいました」

 どうやら「古書往来座」は、一種の“映画ファンの聖地”のようなのだ。いったい、どういうお店なのだろうか。さっそく、行ってみた。

次ページ:実に個性的な店長と名物店員

前へ 1 2 3 4 次へ

[1/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。