「資産は約2300億円」 セブン-イレブンの買収を阻止しようとする創業家の長女とはどんな人物か

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15億ドルの資産

 山本氏はどんな人なのか。

「山本氏は現在、雅俊氏が設立した財団でも理事長を務めています。創業家だけあって財団のみならず山本氏の個人資産もすさまじく、米フォーブスの長者番付にランクインするほど。その資産は15億ドル(約2300億円)ともいわれています」(前出の記者)

 財団では奨学金を給付しており、社会貢献活動にも積極的な山本氏。だが家を守るため時には毅然とした対応を見せたことも。

「16年にセブン&アイの会長だった鈴木敏文氏が子会社の井阪社長を解任する人事案を創業家に提案したところ、山本氏らがこれを拒否したことがあった。当時、鈴木氏は息子を後継者として厚遇していたことから、乗っ取りを危惧した創業家が鈴木氏に不信任を突き付けた」(同)

 最終的に人事案が否決された鈴木氏は会長退任を余儀なくされ、井阪氏が社長に就くことに。

「彼女はとても慎み深い人」

 件の鈴木氏に山本氏について聞くと、

「伊藤さんの家は両親が亡くなってご兄弟が2人いるけど、長女の尚子さんが守っていてね。私が経営陣にいた時に彼女と何度か会いましたが、とても慎み深い人。あまりグイグイ来るタイプではなかったですよ」

 ならば創業家のMBOにも期待を寄せるのか問うと、

「もう経営から離れてだいぶたつからね……」

 と言葉を濁した。

 前出の磯山氏が言う。

「MBOの資金調達に当たっては伊藤忠やメガバンクなどの名前が挙がり“日本連合”でACTによる買収を阻止しようという動きが見られます。しかしMBOが成立したとしても、人口が減る一方の日本では店舗数増加には限界がある。この状況下でどのように業績を伸ばすのか経営陣には難しいかじ取りが求められます」

 次は一丸になれるか。

週刊新潮 2024年11月28日号掲載

ワイド特集「捲土重来」より

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