創価学会関係者が明かした「公明党」衰退の原因は… “学会員の高齢化”“地味過ぎる代表”だけではなかった
結党60年を迎えた公明党で世代交代ならぬ“先祖返り”が発生している。2カ月で代表が2回も交代するなど、党運営が迷走気味の同党で何が起きているのか。
“選挙の顔”には地味過ぎる斉藤新代表
「9月に山口那津男代表が退任し、石井啓一幹事長が後任に選ばれました。が、石井氏は直後の衆院選で落選してあえなく退任。国交相だった斉藤鉄夫氏が就任したばかりですが……」
と言うのは政治部デスク。
「8議席を失う敗北を喫した先の衆院選の後、党内には“さらなる世代交代が必要”と、岡本三成政調会長(59)を推す声がありました。岡本氏は創価大学卒業後、シティバンクやゴールドマン・サックス証券と外資系金融機関に勤務。その後に国政に転じた、異色の経歴の持ち主です」
“国際派”の岡本氏を推したのは若手議員が中心で、
「創価学会内にも、それに同調する声が広がりました。ただ、当の岡本氏が最後まで固辞したことで、結果的に安定感のある斉藤氏に落ち着いたのです」
公明党関係者は、斉藤氏の魅力は「持ち前の人柄」と指摘する。
「東京工大院から大手ゼネコンを経て、政界入り。博士号を持つ学究肌です。20年来、片方の耳が悪く、打ち合わせや会議の際には出席者に申し訳なさそうに“こっちの耳は聞きづらいので、反対側に回って話してもらっていいですか”とお願いするような腰の低い方。ウチにも偉そうに振る舞う国会議員はいますが、斉藤さんは真逆のタイプですね」
そんな“人となり”が買われたか、幹事長ほか、政調会長、選対本部長など党の要職を歴任してきた。今月9日の党大会で代表に選出されたわけだが、その前途は険しいという。
「来夏には都議選と参院選がありますが、その前に衆院解散・総選挙もあり得る。“選挙の顔が地味な斉藤さんでいいのか”“斉藤さんで本当に戦えるのか”との懸念の声が、早くも党内でささやかれています」
集票力低下の一番の原因
ここ数年、公明党は党勢の衰退に苦しんできた。先の衆院選で獲得した比例票は596万票にとどまり、令和3年の前回選挙から114万票も減少。現行の選挙制度が導入された平成8年以来最低の得票で、過去最多得票を記録した平成17年の衆院選での898万票から3割も減らした計算だ。
創価学会関係者が言う。
「公明党候補の選挙事務所では、いつも“断じて取れ800万票!”と大書した紙が掲示されるのですが、今回はどの事務所でも見かけなかった。当初から負け戦のような空気でしたね」
公明党の集票力が落ちた原因には「創価学会員の高齢化」「自公連立政権への批判」などが挙げられるが、
「最も大きいのは、昨年11月の池田大作・創価学会名誉会長の死去。生前は会員に“先生のために頑張ろう”との熱気がありましたが」
先の公明党関係者は、総選挙での敗北理由を「カリスマ性に欠ける堅物」と評する石井前代表に求めるが、
「知名度や人気という点で、15年間代表を務めた山口さんの右に出る人はいません。学会女性部も絶大な信頼を寄せており、当面は山口さんが“選挙の顔”として全国を行脚することになるでしょう」