親の介護は妻に丸投げ、自分は絶賛不倫中… 「向き合うべきですか?」44歳夫の身勝手さ
【前後編の後編/前編を読む】生活に困って両親と二世帯同居も「妻が浴槽に入りたがらない」 44歳夫の崩れゆく家庭
エンタメ業界で働く佐野恭幸さん(44歳・仮名=以下同)は、コロナ禍で収入が減り、かつて反発していた父と母と二世帯住宅で暮らすことを決意した。だが、黙って計画を進められた5歳年下の妻・美和さんは、同居を快く思っていない様子。1階に両親、2階に恭幸さん一家が暮らす新居は、各階にキッチンと浴室があるものの、2階はシャワールームのみという造りだった。両親からは浴槽のある1階を使ってと言われていたが、美和さんは拒みシャワーで我慢し続けた。
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【前編を読む】生活に困って両親と二世帯同居も「妻が浴槽に入りたがらない」 44歳夫の崩れゆく家庭
冬が近づくにつれ、少しずつ仕事が戻り始めた。基本給だけでなんとか生活してきたが、出社する日も増えていった。生活も落ち着いてきたと恭幸さんは思っていたが、その裏で美和さんはますます暮らしにくい日々を送っていたとあとから知った。ときどき母親が階下から「お茶しましょう」と呼んだり、突然2階に上がってきたりしていたのだ。娘は近くの幼稚園に行っていたが、途中からの入園なので本人はともかく、美和さんはママ友にもなじめなかった。
「美和は、そんなことを何も言わなかった。言ってくれれば対処することもできたのに。彼女は言わない代わりに、娘が小学校に上がるとすぐ、パート勤めを始めました。仕事を始めたみたいねと母親に言われて初めて知った。美和に確認して、一言伝えてくれてもよかったのにと言ったら、『相談せずに何かを決められるのは嫌でしょ』って。実家に引っ越したことを根に持っているんだろうなとわかりましたが、『これからはちゃんと言うから、美和も話して』と。こうなったら寄り添って生きていくしかないんだけど、妻はずっと不満をため込んでいたんだと思います」
両親は娘の意向を受けて、「ピアノを習いたいというから習わせよう」「スイミングもやりたいって」と次々に習い事を決めてくる。美和さんは「私たちの娘なのに」と愚痴を言ったこともあった。だが恭幸さんとしては、習い事の費用を両親がもってくれるのだから、それでいいと思っていた。このあたりが実の親子と義理の関係との違いだろう。
「正直言って、家に帰りたいと思える雰囲気ではなかったから、飲食店が再開したこともあって、ときどき飲んで帰るようになりました。あるとき、ひとりでふらっと入った店で、仕事関係の知り合いグループに会ったんです。よかったら一緒にどうぞと言われて、久々に楽しい時間を過ごしました。そのうちのひとりの女性と帰りの方向が同じだったので、一緒に電車に乗ったんです」
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