「いずれは必ず地上波に復帰する」 民放バラエティ制作者が断言する「松本人志」の今後 まずはYouTubeやABEMAで“地ならし”か
復帰パフォーマンスは裏目に
A氏によると、吉本と友好的な関係にあるエンタメ系メディアが「早期復帰」などと報じたことが、かえってカムバックを難しくさせたという。
「性加害疑惑の真偽が分からぬうちに早い復帰が既定路線のように報じたら、世論が反発するのは当然のこと。贔屓の引き倒しです」(A氏)
11月17日に放送された日本テレビ「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで」(日曜午後11時25分)も同じ。この日の企画は「番組に松本が足りない」というもので、相方の浜田雅功(61)が「まっちゃん」と名の付く飲食店をめぐった。松本の復帰を求めるというメッセージが誰の目にも明らかだった。
「そんなパフォーマンスで世論は変わらないでしょう。日本テレビ内にも眉をひそめる人がいたと聞きます」(A氏)
簡単に復帰できない背景には地上波テレビというメディアの特性がある。
限られたユーザーが、自分好みのコンテンツを選ぶ動画や映画、エンタメ系活字メディアなどとは違い、地上波テレビの番組はお茶の間に飛び込む。不特定多数が目にする。そもそも公共の電波を使っている。
このため、「嫌なら観るな」という論法は通用しない。民放と吉本が一方的に復帰を決めてしまったら、視聴者からの反感を買う。
さらに民放の場合、スポンサーは松本の番組を提供することによってイメージが傷つくことを恐れる。
「松本さんを嫌悪する声が沈静化していない今の段階で、スポンサーが出演番組を提供するとは考えにくい」(B氏)
スポンサーは商品のPRや自社のイメージアップを目論んで高額なスポンサー料を払っている。裏目に出ることはやらない。
特に地上波テレビが恐れているのは「女性視聴者の反発」(B氏)である。視聴者の性別や年齢まで分かる個人視聴率を見ると一目瞭然だが、松本はもともと女性の支持が薄い。
だからレギュラー番組が7本もありながら、女性と子供の視聴者が多い午後7時台にはレギュラー番組がない。マッチョなイメージがあり、それを苦手とする女性が少なくないのが理由の1つだろう。
松本がセクハラと受け取れる発言をしてきたことも女性からの人気薄につながっているに違いない。たとえば昨年3月までコメンテーターを務めていたフジテレビの情報バラエティ「ワイドナショー」(日曜午前10時)の2019年1月13日放送でのことである。
新潟を拠点とするアイドルグループ「NGT48」のメンバーが暴行被害を告白したニュースを取り上げた際、やはりコメンテーターの指原莉乃(32)が「私が(運営のトップに)立っても何もできない」と真顔で語ると、松本が「お得意の体を使って何かするとか」と混ぜっ返した。
冗談のつもりだったのだろうが、女性を中心に不快に思った人が多かったようだ。フジの宮内正喜社長(当時)が定例会見で釈明する羽目になった。性加害疑惑も強行突破したら、女性は特に不快感を抱くだろう。
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