マツキヨはまさかの「メガネ拭き」で勝負 韓国と火花散らす「日本企業」のベトナム戦略
街中にはファミマ、ユニクロ、無印、マツキヨ、吉野家…
現在では生産地としてだけでなく、ベトナムは一大消費地としてのポテンシャルを秘めてもいる。1億30万人、世界15番目の人口を誇る国である。しかも平均年齢は33歳と若い。
消費地としてのベトナムに注目すると、ローカルで小規模な小売や飲食店がほとんどだった10年前に比べ、今回は至るところで外国資本のチェーン店を目にしたのが新鮮だった。
コンビニではファミリーマート、ミニストップ、サークルK 、韓国資本の「GS25」が街中に出店。ホーチミンの繁華街、レタントン通り近辺にはユニクロ、無印良品、マツモトキヨシ、ホームセンターのコーナンがある。
飲食チェーンも、吉野家、すき家、CoCo壱番屋、一風堂、丸亀製麺、シャトレーゼなどがあり、サイゼリヤの出店も間近だ。日本にいるときと変わらない外食をホーチミンでも楽しむ事ができる。
昨年、ベトナムでは不動産バブルが崩壊し、経済が停滞したものの、それでもアジアではトップクラスの経済発展の真っ只中にある。消費意欲の高まりに合わせ、日本企業の進出は今後も加速しそうである。
「vs韓国企業」 すき家には驚きのメニューが
ただ、サムスンの進出をきっかけに、韓国企業の進出も目覚ましい。スマホや家電などのほか、若者を中心に「アイドル」や「焼肉店」が人気だという。昔は日本人街と言われていたレタントン通りにも、韓国人がかなり増えていた。「あと数年したら韓国人街になる」と予測するベトナム人も少なくなかった。
こうした状況で、ベトナムで展開する日本企業はどう戦っているか。日本で流行った商品をそのままベトナムで買ってもらうという姿勢は、今や通用しない。当たり前だが、ベトナム人のニーズに合ったモノやサービスがより求められるようになっている。この点は、日本企業も韓国企業に負けじと相当、力を入れている。
たとえばすき家では、フォーの麺文化を意識して、なんとラーメンメニューを展開していた。日本人からすれば違和感を抱くが、まさにローカライズ化を果たしたメニューなのだろう。無印でも、ベトナム人が好む抱き枕やバイクに乗る時に着る厚めのレインコートなどが開発され、東南アジアなどの他国でも販売されているようだ。ユニクロでも、UVカット機能がある薄手の長袖上着を前面に打ち出していた。ベトナムの環境に適しており、人気商品のようだ。
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