「実は年明けが最も多忙」「私服が派手」…知られざる「葬儀屋」の裏側 「家族を“遺族”と呼んでしまうことも」

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葬儀屋あるある

 最後に、この連載では恒例の「業界あるある」や職業病について、今回もそれぞれの葬儀屋に聞いてみた。

「夜勤担当者が体調を崩したりするなどしてピンチヒッターで突然仕事になるたび、妻に浮気を疑われる」

「日頃参列者を焼香に案内しているが、自分自身が焼香する機会がないのでたまにプライベートで参列して焼香するときに緊張する」

「結婚式に呼ばれたときに家族を遺族と呼んでしまう」

「ずっと黒スーツなので、私服は反動で派手になりがち」

 マナーや作法に縛られ緊張状態が続くうえ、体力的にも過酷な葬儀業。世間からの偏見も根強く、心無い言葉が投げかけられることもあるという。「終活」がポジティブに捉えられるようになったように、今後、彼らの労働価値も正当に理解されていけばいいと思う次第だ。

橋本愛喜(はしもと・あいき)
フリーライター。元工場経営者、日本語教師。大型自動車一種免許を取得後、トラックで200社以上のモノづくりの現場を訪問。ブルーカラーの労働問題、災害対策、文化差異、ジェンダー、差別などに関する社会問題を中心に執筆中。各メディア出演や全国での講演活動も行う。著書に『トラックドライバーにも言わせて』(新潮新書)、『やさぐれトラックドライバーの一本道迷路 現場知らずのルールに振り回され今日も荷物を運びます』(KADOKAWA)

デイリー新潮編集部

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