「闇バイトはあかん!」6代目山口組の執行部会議で持ち上がった危機感

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碑文谷一家の告知

 世間を震撼させている強盗殺人や致死などの事件に実行役として、いわゆる闇バイトで雇われた者が関与しているケースが多くあることはすでに広く知られている。

 この闇バイトに対しては政府も本格的に対策に取り組むとのことだが、実は各地の暴力団組織も対応を余儀なくされている。実際、残虐な犯罪に手を染める面々をSNSで闇バイトを募集したことに絡んで道仁会(本部:福岡県久留米市)の事務所が捜索を受けた。6代目山口組も定例の執行部会議を開いた折に闇バイトに関与することを禁じる通達を出すなど、警戒心を高めているという。

 10月、東京・品川区内にある稲川会の2次団体・11代目碑文谷一家本部の入口脇にこんな告知が張り出された。

〈告知。昨今 闇バイト、オレオレ詐欺、強盗等多発しておりますが それらの者、組織、団体には碑文谷一家の縄張りに於いて 当家は断固たる処置を取ります(品川区 大田区 世田谷区一部 目黒区一部)安心した地域づくりを心掛けております 11代目碑文谷一家〉

あんな奴らとは無関係だ

 あんな奴らとは無関係だ、と世間にアピールしたかったのだろう。任侠団体とあの手の輩を一緒にされては困る、ということである。

 が、実際には無関係とは言えない団体もあるということだろうか、翌月にはSNSで闇バイトを募集したとして、福岡県久留米市にある道仁会が捜索を受けたことが伝えられた。

 結局のところ、両者の関係はどのようになっているのか。

「闇バイトは組織的な犯行と見なされうるほど広域・多くのルートが展開されており、背後に暴力団や半グレの存在が取り沙汰されてきました。警察が摘発に血道を上げる匿名・流動型犯罪グループの一角を暴力団が担っているのではないかとの見方は根強くあります。11代目碑文谷一家の対応は話題になり、さまざまな解釈がなされましたが、基本的には闇バイトとの絶縁をわかりやすく表明したかったという意図があるように感じました」

 と、担当記者。

6代目山口組の定例執行部会議

 こうした動きは他にも見られる。11月15日、6代目山口組の定例執行部会議が3代目弘道会の傘下組織だった9代目玉屋一家(本部:愛知県津島市)の事務所で開かれた。ここでも闇バイトなどに一切関わらないようにとの厳重な通達が行われたと見られる。

 6代目山口組はこれまでにも同様の通達をしてきたが、ひとえに共謀共同正犯が成立して組織のトップまでさかのぼって訴追されかねないことを回避したいとの思いがあるようだ。会議後には直系の組長が通達を持って帰り、枝の組織まで申し伝えを浸透させることになるとのことだ。

 しかし、こういった通達をすれば話が済むほど単純でもないらしい。

「6代目山口組の傘下組織に所属していないにもかかわらず、その名前をかたって犯罪行為に加担する者がそれなりにいると聞いています」

 と、元山口組系義竜会会長の竹垣悟氏。所属していない者が匿名・流動型犯罪グループの一角を担っていたとしても「知らぬ存ぜぬ」を貫き通せばよさそうなものだが。

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