「菅義偉元首相」相手に約5万票で次点に食い込んだ“意外な人物” 自ら希望して神奈川2区に

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“落語家”を売りにせず

 師匠に衆院選への出馬を報告すると、

「聞いてしばらくは、口をあんぐり開けて驚いていましたよ。でも、反対はせず“やるからには勝てよ”と励ましてくれました」

 落語家出身の議員といえば、昭和46年に参院議員に当選し、1期で引退した立川談志さん(故人)が思い浮かぶ。一方で、東京・町田市議の三遊亭らん丈(65)、埼玉・川越市議の三遊亭窓里(そうり・64)など現役の地方議員はいるものの、国会の赤じゅうたんを踏む例は絶えて久しい。

「キャッチフレーズは“まっとうな政治に真打登場”としました。公示日には着物姿で桂歌丸師匠の地元である横浜橋通(よこはまばしどおり)商店街に行きましたが、それ以外はスーツ姿で通しました。党からは“もっと落語家であることを売りにすれば?”とのアドバイスを頂きましたが、自分としては、ごく一般的な候補者というイメージを優先したかった。演説には自信もありましたし」

 野田佳彦代表(67)が応援に駆け付けた駅頭演説では、「おまんま食おうったってさ、白いおまんまが売ってねえんだよ。白いおまんまも食えないような政治じゃ、落語聞いたって笑えねえんだよ」と、折からのコメ不足をネタにした口上で聴衆の笑いを誘う場面もあった。

「皆さんから“初めての演説の割にはとてもうまかった”と言われて。選挙戦の途中から落語を取り入れたら、ウケが良くなった。応援の野田さんから“師匠”と呼ばれたのも、印象的でうれしかった」

 政界の大看板を相手に惨敗を喫したが、東三楼は諦めないと強調する。

「次回の選挙も同じ選挙区で挑戦するつもり。今後は野田さんのように、毎日、駅立ちもしたいですね」

 もちろん、寄席でも名人芸を披露し続けるそうだ。

週刊新潮 2024年11月21日号掲載

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