「菅義偉元首相」相手に約5万票で次点に食い込んだ“意外な人物” 自ら希望して神奈川2区に

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 歴史的な与党の大敗で幕を閉じた先の衆院選に、現役の噺(はなし)家が挑戦していたことをご存じだろうか。高座ならぬ街宣カーに上がったのは、落語協会に所属する、柳家権太楼(77)門下の柳家東三楼(とうざぶろう・48)だ。神奈川2区から、立憲民主党の公認候補として出馬。対抗馬は同選挙区で9回連続当選を果たしている、菅義偉元首相(75)である。

アメリカの自宅を引き払って……

「平成26年に真打に昇進して以来、いつかは国政選挙に出たいと考えていました。立民のことは旧民主党時代から支持しており、いろいろなボランティア活動にも参加していたんです」

 とはご本人。準備期間を含めて選挙活動は3週間に満たなかったが、4万7222票を得て次点に食い込んだ。それでも、およそ12万票を得た菅氏には遠く及ばず、比例での復活当選もならなかった。

 政治家としては、いまだ“前座”でも、本業では平成28年に文化庁芸術祭新人賞を受賞した実力派。令和元年には海外での落語普及を目指して米・ニューヨークに拠点を移し、今年4月にはカーネギーホールで独演会を成功させた国際派という顔も持つ。

「6月に一時帰国した際、立民が主催する『りっけん政治塾』の存在を知って参加しました。その時に国会を傍聴したんですが、自民党議員の相次ぐやじに腹が立って許せなくて。私はかねてから、日本の芸術を大切にしない文化政策に不満があった。それを変えたいと考えていたので、塾に参加したその日に選挙に出ようと、立憲の候補者公募サイトに応募したんです」

 翌7月には米国の自宅を引き払って帰国。出馬への準備に入ったという。

「永田町の党本部での面接を経て、正式に候補者になりました。私の地元は都内の下町ですが、神奈川2区での出馬を希望しました。横浜にぎわい座という演芸場もあって、神奈川県内でも横浜が好きなんですよ」

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