「朗希には“応援される人間に”と指導した」 恩師が語った、佐々木朗希のメジャー挑戦への思い 「本人が決めたことなので、頑張ってほしい」

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 米球界では大谷に続けとメジャーへ挑戦する若者の話題でもちきりだという。「令和の怪物」と呼ばれる千葉ロッテマリーンズの投手・佐々木朗希(23)。プロ5年目の渡米宣言は日本で賛否両論を招いているが、彼を大事に育ててきたロッテの本音を探ってみると……。

 ロッテ球団が今月9日に発表した佐々木の「メジャー移籍容認」が、ファンのみならず球界全体に波紋を広げている。発表翌日のスポーツ紙は軒並み一面で取り上げ、大谷翔平や山本由伸が所属するドジャース入団が有力などと報じたが、世間が諸手を挙げて歓迎する雰囲気でないのも事実だ。

 例えば、ロッテの本拠地である千葉県の熊谷俊人知事は、公式SNSでこう述べた。

〈限りある選手人生ですので、各選手の夢が叶えられることは大事だと思います。同時に、私は日本のプロ野球の発展を願う立場として、球団に、ひいては日本のプロ野球に確かな財産が残る形で選手が大リーグに挑戦することが大前提であって欲しいと思います〉

 公職に就く知事が踏み込んだ発言をするほど、物議を醸しているのである。

「先発投手のローテーションを一度も守り切ることなく……」

 振り返れば、佐々木は入団3年目で史上最年少の完全試合を達成。大谷と並ぶ日本球界史上最速の165キロという剛速球を投げて話題を集めたこともあった。

 その当時、監督を務めていた井口資仁(ただひと)氏によれば、

「朗希はスピードが出る分ヒジに負担がかかるので、けがのリスクが高い投手でしたが、彼は少しでも違和感があれば相談したり病院に行ったりと、自分の体についてささいなことでも感じ取っていた。われわれも彼にけがをさせず成長させていくプランを提案しましたが、朗希は自身でも日本では最多勝、米国ではサイ・ヤング賞を取りたいという目標に向かって計画を立て無駄な時間は過ごさない。24時間、野球について考えているような選手でした」

 育成重視の方針は一方で、チーム成績に結び付かないジレンマを生んでいた。

 スポーツ紙記者が言う。

「今季の佐々木は体の不調で2度も登録抹消しています。違和感を訴えて戦線を離脱することが常態化した結果、プロ入り5年で通算29勝、先発投手としてのローテーションを一度も守り切ることなく、リーグ優勝を経験しないままロッテを去ります。日本ハムで同じく5年を過ごしメジャー移籍した大谷は、二刀流ながら投手だけで見ても3年連続2桁勝利、通算42勝でMVPも受賞。リーグ優勝、日本一に貢献しました」

 ドジャースの山本やパドレスのダルビッシュ有、元ヤンキースの田中将大も、チームを日本一に導いてから渡米している。ロッテファンが不満に思うのも当然だろう。

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