ブルース・リーと白熱の格闘シーン「ジャバ―」 お家芸“スカイフック”の意外な原点(小林信也)
駆け出しのスポーツライターでもあった大学時代、原稿料をもらってはロサンゼルス(LA)に渡り、1カ月ほど滞在した。昼は世界選手権を目指してフリスビーの練習。夜はNBAやNFLを見に行った。1970年代の後半、LAレイカーズの花形選手は218センチの長身選手カリーム・アブドゥル・ジャバーだった。
“スカイフック”というジャバー独特のシュートに最初は戸惑いを感じた。長い腕を斜め上に伸ばし、人を食ったように軽く指先でボールを跳ね上げる。と、ガードする相手の頭上をボールが舞い、寸分の狂いもなくリングに吸い込まれた。...