「あのおばはんええ加減にせえよ」 角田美代子ファミリーの“暴力担当”が逮捕後に吐露した恨み節【発覚から12年】
暴力団など「黒幕」は存在したのか
正則は、12年12月16日付調書でファミリーについて、
〈血の繋がっていない、寄せ集め的な家族〉
と表現している。美代子の餌食となり命を落とした人もいれば逃げおおせた人もいて、正則を美代子に引き合わせた継父も、一時は監禁下で虐待されながら、脱走して難を逃れている。
〈死体の処理をさせられるようにもなり、本心では何で俺がこんなことせなあかんねん。自分でせえや。と不満を持っていました。本当にこのババア殺してもたろかと殺意を持ったこともあります。でも、そんな時に、私の頭には美代子のバックには山口組の大幹部がいる。私も本当に殺されるかもしれないと考えてしまい、躊躇したのです〉(同)
現に事件発覚後、暴力団など「黒幕」の存在が報じられたことがある。が、実際にはファミリーの一員いわく、
「正則のツテを使って暴力団との関係を保とうとしたのでは、などと言われましたが、まったく事実ではありません。美代子というヤクザの女親分が『お前らの口をウチが預かっているんや』と、恩着せがましく言い立て、血の繋がりのない人間を恐怖と懐柔で支配して、声を上げさせて来なかった……。それだけのことで、黒幕などいなかったのです」
角田家の中で一番下だったと吐露
その一角を占めていた正則も、決して優遇されていたわけではない。自身の公判では「ナンバー2」どころか、
〈自分は角田家の中で一番下だった〉
と繰り返し、調書でも美代子の表現を借りながら、
〈ピラミッドの頂点が角田美代子、2番目がM(注・美代子の義理の妹)、3番目がA(内縁の夫)、4番目がK(長男)、5番目がY(次男)、6番目がR(次男の妻)、7番目がYとRの間の子2人、8番目がタイガーとラブ(飼われているプードル犬)、9番目が私とN(同居人)〉(12年11月6日付)
ペット以下の扱いだったと吐露し、同年11月5日にはこんな供述もしている。
〈角田家の人がごっついエビフライを食べていたので、次は自分らが食べれると喜んでいたら焼き魚でガッカリさせられたり、美代子からは「家族と一緒に飯が食えると思うな」と言われていました。角田家のおやつが「ケーキ」なら、私らは「おかき」と、その差別は徹底されていました〉
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