文庫版がベストセラー『百年の孤独』とフェイクニュースの意外な共通点…石戸諭が語る「魔術的リアリズム」の核心とは

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フェイクニュースを読者が信じてしまうのはなぜなのか

 実はガルシア=マルケスの小説の描き方は現代にも通じている。石戸氏によれば、「フェイクニュース」がまさにその手法で生成されているのだ。

「フェイクニュースを読者が信じてしまうのはなぜなのか。それは“いかにもありそうだ”というリアリティがあるからです。信じてしまうに足るディテールが書き込まれているから、本物のニュースだと勘違いしてしまう。それはガルシア=マルケスがやったことと表面的には同じなんですね。だから、ある意味、フェイクニュースに惹き付けられるマインドとガルシア=マルケスに惹き付けられるマインドというのは似た要素があるということなのです。人間は物語の力に惹きつけられる。フェイクニュースは肯定しないけど、なぜ拡散するかを考えることは大切なのです」

『「嫌われ者」の正体 日本のトリックスター』

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石戸諭 ノンフィクションライター
1984(昭和59)年、東京都生まれ。立命館大学法学部卒業後、毎日新聞、BuzzFeed Japanの記者を経て独立。著書に『リスクと生きる、死者と生きる』『ルポ 百田尚樹現象』『ニュースの未来』『東京ルポルタージュ』などがある。最新作は『「嫌われ者」の正体 日本のトリックスター』(新潮新書)。

デイリー新潮編集部

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