中学受験は「鉄研」目当てで学校選び 意外に熱血?男子も女子も集う“鉄道愛”部活の知られざる魅力

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 女性1人あたりの出生率は1.30人(2021年・日本総研)と少子化が進むなか、過熱しているのが中学受験だ。2024年度の私立・国立中学受験者数こそ52,400名と前年度と比べ微減ながら、受験率は過去最高の18.12%(首都圏模試センター)となっている。これは小学6年生のおよそ4.7人に1人が中学受験をしている計算だ。

 公立と比べ特色ある教育を行うことが私立人気の理由にはあるが、鉄道研究会(以下、鉄研)の活動に勢いがある学校はその象徴かもしれない。なかには、鉄研目当てで志望校を決める生徒もいる。

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 中学受験をテーマとしドラマ化もされた漫画『二月の勝者-絶対合格の教室-』(高瀬志帆/小学館)にも、鉄道に興味を持ち鉄研がある学校を志望校に選ぶエピソードがある。中学受験において、野球やサッカーなど運動部の強豪校で学校を選ぶことは聞くが、鉄研で……というのはなかなか珍しいように思える。

 学習塾『應修会』を経営し、X(旧twitter)で1万以上のフォロワーがいる茂山起龍氏によると、

「高輪中学校、城北学園城北中学校の鉄道研究部に入りたくて受験をし、それぞれ合格を掴み取った子がいます。部活を中心に学校を考える子の中でも、鉄研を選ぶ子は多い方ではないかと思います。特に文化部の中ではかなり多いと言えるのではないでしょうか」

 と鉄研人気を指摘する。

中高一貫校は文化系部活が充実する?

 とくに6年間を同じ学校で過ごす中高一貫校となると、受験前の学校見学や文化祭見学での情報収集が欠かせない。見学会などの申し込み枠が数分で埋まってしまう人気校もある。そんな激戦を勝ち抜いてでも、鉄研目当てで学校行事へ参加したいという家庭もあるそうだ。

「さきほどのご家庭はそうでしたし、それ以外でも鉄道が好きな子にとっては、部活見学が文化祭を巡る目的になっていました。学校のほうでも、鉄道研究会を見学ルートとして組み込まれていることが多い印象です。ただ、“鉄道が好き”と言っても、自分の思い描いた鉄研とは違うこともしばしばあるようです。生徒に聞いてみると、“~~中の鉄研は思っていたのと違った。~~中の方が良い”と本人なりのこだわりがあるみたいでした。鉄研であればどこでもいいというわけでもないようです」

 茂山氏自身も文化祭発表を見て、鉄研の熱意を感じたことがあるそうだ。

「私自身は鉄道にあまり興味がなく、知識もありません。でも鉄研の展示や発表は、運転シミュレーションを体験できたり、ミニ車輌に乗れたり、ジオラマを作ってNゲージを走らせたりと、学校ごとの色が出やすい部活の一つだと思います。作品には生徒達の愛が感じられますし、情熱を持って普段から活動しているのだろうなと微笑ましいです」

 高校受験に時間を割く必要のない中高一貫校だからこそ、やりたいことに没頭できる。そのため文科系の部活は充実するのだろうか。

「一概にそうとは言えないと思いますが、変わった部活は多いと思います。その意味ではより自分の好みや興味にフィットする率は高いかもしれません。また、中高合同で部活動をしている学校も多いので、先輩たちの“完成度の高さ”をそばで感じることができやすくはあるのかなと思います。また、私立は施設が充実している学校が多く、やりたいことが実現できる環境にはあるのでしょう」

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