「SNS対策は必須」でも「昔ながらの選挙手法は有効」 豊田真由子氏「元秘書」が明かす自民党が“裏金で惨敗”した選挙の舞台裏

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劣勢の中で気がついたSNSの重要性

 いわゆる“裏金”の問題やその額面が連日メディアで取り沙汰される逆風の中、若い世代の支持を広げていくために大きな役割を担ったのが、SNSなどのインターネットやスマートフォン端末に関連したツールだ。

 ネット選挙が2013年に解禁されたものの、しばらくはネガティブな要素が拡散されるケースも見受けられたが、その有効性をレタスサンド氏は指摘する。

「たしかに過去にはインターネットから“炎上”に発展してしまうケースも見受けられましたが、若い世代はご年配の方よりも自分の意見をきちんと持っていて、ニュースを鵜呑みにせずにじっくりと物事を捉えている印象を感じています。どんなに“嫌な相手”だったとしても、お灸を据えるために政治的スタンスの異なる候補に票を投じることは決してありませんから、YouTubeのショート動画やTikTokの縦型動画を使ってこれまでの地道な活動や候補者の人柄を知っていただけるように心がけました」

 劣勢の中で突入した今回の衆院選では「党や多くの候補者がSNSの重要性に気づいたのではないか」とのこと。安倍晋三元総理の銃撃や各地で起こる選挙妨害などにより演説は厳重な警備体制が敷かれるなか、候補者が有権者に思いを伝える新たな手法になりうるのかもしれない。

永田町と代表の座を追われた

 その一方、今回から区割りの変更により新たに加わった埼玉14区からは、公明党の新代表に就任した石井啓一氏が出馬するも、落選の憂き目に。支持母体の手堅い組織票を持つ候補の落選に、レタスサンド氏も「票読みが的確な政党なのに落ちることがあるのか」と驚かされたという。

 だが、選挙区内の草加市における公明党の組織票を見ると、3年前の15,467票からわずかに減らしたものの、今回も15,044票を獲得しており、その支持基盤に揺るぎはなさそうな印象を受けるが……。

 自民党の候補者を退けてまで手にした小選挙区で、地縁のなさなどが影響して一般層からの支持を得るのに苦しみ、まさかの落選。永田町と代表の座を追われることとなった。

 だが「昔ながらの選挙手法が使えなくなったわけではない」とレタスサンド氏は指摘する。

 参議院から衆院の東京7区に鞍替えした丸川珠代氏が落選した一方で、宮城の比例区では森下千里氏が初当選。そしてかつては柿沢未途氏が公職選挙法違反で辞任した東京15区からは、元立憲民主党の参議院議員で元格闘家の須藤元気氏が無所属で出馬。地元で生まれメディアでの知名度を生かした選挙を展開して注目を集めたが、わずか1125票差で議席獲得に及ばなかった。

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