「空前の低視聴率」にあえぐ秋ドラマ それでも“ナンバー1の良作”と言われる異色のサスペンスとは?

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 10月期の連ドラが“史上空前の大凶作”に見舞われているという。

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 デイリー新潮は11月21日配信の「ワースト記録を更新? 『清原果耶』主演ドラマが視聴率『3%割れ』で朝ドラ元ヒロインの試練」で、現在、テレビ朝日で放送中の「マイダイアリー」(ABCテレビ制作)がテレビ東京を除いた民放連ドラのなかで歴代ワースト視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯)を記録する可能性があると報じた。民放プロデューサーは言う。

「NHKの朝ドラ『おむすび』はようやく14%台に戻しつつありますが、少し前までは12%台を連発し、2009年後期の『ウェルかめ』(平均13・5%)の最低記録を更新する可能性はいまだ十分にありす。また、初回7・8%と好スタートを切ったテレ朝の『民王R』は、第2話で3・7%、第3話で2・9%まで落ち、史上最悪と言っていいほどの下降率です」

 まあ、下を見ればキリがない。

「上を見ても状況は一緒です。初回から安定して2桁をキープしているのはテレ朝の『相棒Season23』と『ザ・トラベルナース』第2シリーズのシリーズ物のみ。NHKの大河ドラマ『光る君へ』もかろうじて2桁ではあるものの、歴代大河のなかではかなり低い。重厚長大がウリのTBSの日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』も初回11・0%と評判は悪くありませんでしたが、その後は7%台に落ちています。2桁が当たり前の日曜劇場ではあまり見ない低視聴率です」

テレ東が躍進

 今期は10月27日に衆院選、他にもプロ野球日本シリーズやWBCプレミア12の中継など、特に日曜のGP(ゴールデン・プライム)帯のドラマには気の毒な面はあった。

「それにしてもちょっと酷い。今期は大凶作と言っていいでしょう」

 テレビのリアルタイム視聴が減ったため、TVerなど広告付き無料配信の再生数を重視したドラマが増えたこともあるのでは?

「確かにそれもある。川口春奈が主演の『silent』で味をしめたフジテレビは、今期も松本若菜が主演する『わたしの宝物』がTVerで初回300万再生、趣里が主演する『モンスター』(カンテレ制作)が初回200万再生を突破しています。また、松下洸平が主演する日本テレビの『放課後カルテ』も初回200万再生を突破しましたが、それでも『silent』が記録した初回530万再生のような大ヒットには至っていないのが難しいところです」

 視聴率はそれほどではないものの、面白い作品がないわけではないという。

「例えば、藤木直人が主演するテレ東の『D&D~医者と刑事の捜査線~』は10月に新設された金曜21時のドラマ枠でスタートしたにもかかわらず、初回6・0%にはじまり、第2話で7・1%に跳ね上がるなど、テレ東史上、空前の高視聴率を叩き出しています。これもテレ東ですが、水曜25時の『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』は21年にスタートした阪元裕吾監督の映画シリーズ『ベイビーわるきゅーれ』のドラマ化で、映画第3弾の公開に合わせてドラマ放送が始まりました」

 さすがテレ東、映画シリーズをドラマ化する逆路線である。

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