「まだ実力の半分しか出していない…」 元ロッテ監督「井口資仁」氏が語る「佐々木朗希」秘話 初対面の席で打ち明けられた“驚きの目標”とは?

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メジャー選手に質問

――2022年シーズン、ロッテは3年ぶりのBクラスが確定し、井口氏は監督を辞任する。一方の佐々木は、翌23年、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に出場。フロリダ州マイアミのローンデポ・パークで行われたメキシコとの準決勝に先発した際は、佐々木を見るために64人ものメジャー球団の関係者が球場に足を運んだことも話題となった。

井口:ロッテがメジャーリーガーのロベルト・オスナ 投手を獲得した時、朗希はオスナにメジャーの話とか、変化球の握り方とか、いろいろ聞いていたそうなんです。WBCの時も、いろいろな選手にいろいろな話を聞いていたらしいですよ。やっぱり、たくさんのことを吸収して、自分の力に代えたいと思っているんでしょう。

――その佐々木が、ついにメジャーに挑戦するわけだ。

井口:賛否両論あるのでしょうが、彼はロッテに入る前からメジャーに行って活躍したいという思いがあるわけです。それが日本で結果を出してから行くのか、もっと早く行くのか、行くタイミングについて球団といつどのような話し合いをしたのか、僕はわかりません。そこは球団と毎年いろいろな交渉をしながら決めたのでしょう。球団だって今、彼に出て行かれたらマイナスだとは思いますけど、朗希の思いを受け止めてあげたっていうのは大きいと思います。

――ワールドシリーズで優勝経験もある井口氏に、佐々木がメジャーについて聞くことはなかったのだろうか。

目標はサイ・ヤング賞

井口:いや、僕とはメジャーの話とか一切したことはないんです。僕は野手ですからね。ただ、朗希の目標はずっとサイ・ヤング賞(その年に最も活躍した投手がアメリカンリーグとナショナルリーグから1人ずつが選出される)とは聞いていました。メジャーリーグのピッチャーで1番の賞が目標なのですから、そこに向かって進んでいたのでしょう。

――ただし、佐々木はプロ野球の沢村栄治賞(その年に最も活躍した完投型先発投手を対象に贈られる)も受賞することはなかった。もう少し結果を出してからメジャーに行っても良かったという声もある。

井口:ファンにはいろいろな思いがありますからね。日本でしっかりやってから行けという方もいれば、若いうちに行ったほうがいいという方もいるし、さまざまです。本人が決断したことなのですから、僕は頑張ってほしいと思っています。チャンスに挑戦することって、すごく勇気がいることですからね。その勇気を振り絞って決断できた朗希を尊重してあげたい。アメリカでもメジャーを代表するような選手になってもらいたいです。

――井口氏も気遣った体の線の細さが気になるが……。

井口:彼はまだ自分の能力の半分も出していないと僕は思っています。これから年を重ねるごとに成長して、もちろん筋力ももっと増えて、体もできてとなると、今以上のものが出てくると思います。朗希は高校を卒業してプロに入って、まだ5年しか経っていません。経験値としては大学卒で1年目が終わったようなものです。初めて見た時から変わっていませんが、朗希は本当に何十年に1人の選手なんですよ。

デイリー新潮編集部

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