気が付けば来オフはまたWBC… “4番不在危機”で井端監督はどう対処するのか
2023年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で「侍ジャパン」が優勝し、日本中を熱狂の渦に巻きこんだことは記憶に新しいが、気が付けば、次回WBCは来オフの2026年3月に迫っている。“主砲不在”がささやかれる中、井端弘和監督は2大会連続4度目の世界一に漕ぎつけることができるのだろうか。
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侍ジャパンは現在、現役メジャーリーガーが参加しない国際大会「プレミア12 2024」を戦っている最中だが、そこで4番を務めているのは、プロ2年目の阪神・森下翔太外野手だ。オープニングラウンド終了(11月18日)時点で全5試合の4番を務め、打率.571(14打数8安打)1本塁打6打点。出場選手中ピカイチの成績を残した。
「ヤクルトの村上宗隆内野手がレギュラーシーズン最終戦で右足親指を骨折し、巨人の岡本和真内野手も腰痛を理由に出場を辞退。日本シリーズ終了までフル稼働していたDeNA・牧秀悟内野手の疲労にも考慮しなければならない状況です。そこで実績こそ劣るものの、勝負強く、チームに勢いをつけるムードを持つ森下を、4番に抜擢した井端監督の眼力はさすがです」
と球界OBの1人が指摘する。
村上と岡本和は出場しない?
とはいえ今年のレギュラーシーズンでは、村上が33本塁打86打点でセ・リーグ2冠。岡本和も27本塁打83打点で、16本塁打73打点だった森下はまだ迫力の面で遠く及ばない。ところが、村上と岡本和は次回WBCには出場しない可能性が取り沙汰されているのだ。
「村上は既に『来季が日本でやる最後のシーズン』と公言しており、来オフにポスティングシステムでメジャーへ移籍することが確定的。球団も容認しています。岡本和も、ポスティングシステムで来オフのメジャー移籍が取り沙汰されています。巨人が今オフ、国内FA権を行使した阪神の4番・大山悠輔内野手の獲得に動いているのも、来オフの流出に備える意味合いが含まれているともっぱらです」(NPB関係者)
前回のWBCで、村上は1次ラウンドの全4試合で4番だった。不振で準々決勝以降、レッドソックス・吉田正尚外野手にその座を譲ったが、準決勝のメキシコ戦では劇的な逆転サヨナラ二塁打を放ち、意地を見せた。岡本和は全7試合に出場して打率.333、2本塁打7打点をマークした。次回WBCでは、投打二刀流の復活が予定されているドジャース・大谷翔平投手の参加がもちろん最優先事項だが、メジャーリーガーが一斉に出場し、プレミア12などと比べるとレベルがグンと上がる大会だけに、打線の軸を担える2人がそろって不参加となれば痛い。
日本からメジャー移籍が決まった選手が、初年度のシーズンを前にWBCに参加するケースはほとんどない。移籍先球団のキャンプ、オープン戦に参加して存在をアピールし、チームに自分の居場所を確保することが優先されるからだ。例外は前回WBCの吉田だったが、当時の栗山英樹監督は「選んじゃいけないと思っていた」と明かし、出場回避を強く勧めながら、本人の強い希望で指揮官の方が「それだけの魂があるのなら、もう力を借りるしかない」と折れた特殊な経緯がある。
次回WBCに村上と岡本和が不在となれば、来シーズン中の選手たちの成長のほどにもよるが、侍ジャパンの打線は機動力や小技を駆使した“スモールベースボール”に傾くことになるだろう。となれば、指揮官である井端監督の手腕にかかる重圧は強まる。
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