大谷翔平“頭の良さ”に栗山監督が感嘆した瞬間 「先輩に呑みに誘われた時の“衝撃”の断り文句」

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「論語と算盤」

 でも翔平に心配は要らなかった。翔平は呑まない。「呑めない」のではなく、酒は強いのかもしれませんが、先輩に誘われた時でも、「呑みですか? 呑みなら行きません」と。食事には行っても、酒には付いて行かないんです。

 と言うのは、翔平は毎朝10時にジムに行くことを日課にしている。睡眠時間を逆算すれば、夜遅くまで外に出ている暇はないんです。翔平は呑み会よりトレーニングの方が楽しいんですよ。「呑んでて何が楽しいんすか?」「それだったら練習して野球、かっこよく勝った方がいいじゃないですか」という感じなんです。

 16年のクリスマスのこと。広報から「監督、プレゼントで〜す」とLINEが来て、何かと思ったら、翔平がイブの夜にずーっと1人でバッティング練習をやっている画像。広報は「監督、これが一番嬉しいプレゼントっすよね〜」と。確かにそうでした。そういう日にも上手くなりたいと一生懸命やっている姿が、彼を成り立たせていると思うんですよね。

 その大晦日には紅白歌合戦に(審査員として)出たでしょ。この時も、翔平は依頼が来た時、うちの広報に「大晦日の前と後の練習環境を準備してくれるのなら出ますよ」と言ったんです。年末で寮も閉まってしまうのでジムに行けなくなるから。で、うちの広報も頑張って場所を用意したんですよ。彼にはオフっていう発想がないんですよね。

 趣味ですか? 多分ないですよ。彼の生活を見ていると「野球ほど面白いものはない」と思っているように見えますね。このアーティストが好きとか、このライブだけはとか、そんなのは翔平の世界にはないんじゃないでしょうか。

 ただ、読書は相当していますよ。(花巻東)高校時代の佐々木(洋)監督に言われているみたいです。この前も翔平に「おい、今読んでいる本出せよ」と言ったら、ちゃんと「良いもの」を読んでいました。トレーニングの本や栄養学の本もそうですが、僕がこの間勧めた『論語と算盤』なんかもしっかり読んでいました。

〈この大谷に関し、最大の謎が“女性関係”のそれだ。各局の女子アナたちが舌なめずりをして彼を狙っているのは想像に難くなく、誘惑も数多いはずだが、5年間、彼に決定的な恋愛沙汰が報じられたことは、ゼロだった。〉

 女性? 直接彼から聞いたわけじゃないけど、お父さんと、5年間は彼女は……みたいな約束をしているみたいですね。ご両親の教育を含めて、あのご一家の家族関係というのは素晴らしい。家族の結びつきが人を育てるんだと改めて学ばせてもらいました。

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【後編】では、大谷翔平のワールドシリーズ制覇について言及している。

デイリー新潮編集部

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