お笑いファンに衝撃…昨年の「M-1」王者がガチンコで連覇を狙いにきている

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セオリーとは違う道

 毎年12月に行われる漫才コンテスト「M-1グランプリ」は、いまや国民的な行事となっている感がある。多くの視聴者が見守る決勝の舞台で優勝したり活躍したりした芸人は、それをきっかけに飛躍的に仕事を増やしたり、数多くのバラエティ番組に呼ばれるようになったりする。

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 しかし、昨年末の「M-1」で優勝した令和ロマンは、このセオリーとは違う道を歩み始めた。コンビの頭脳である高比良くるまは、自ら「テレビには出ない宣言」をして、テレビの仕事を断っていることを明かした。

 その方針は現在まで貫かれており、彼らは過去のM-1王者に比べると、テレビ出演の機会が極端に少ない。全く出ていないというわけではないのだが、ご祝儀的にオファーを受けてどんな番組にでもとりあえず顔を出す、といった仕事の受け方をしていないように見受けられる。

 さらに、彼らが世間を驚かせたのは、翌年の「M-1」にも出場して連覇を狙うと宣言したことだ。もともとは、昨年の「M-1」のエンディングで、コメントを求められた高比良が「来年も出ます!」と力強く叫んだのが発端だった。

 この時点では、多くの人は彼の発言を真剣には捉えていなかった。優勝直後の勢い任せのリップサービスに過ぎないと考えられていたのだ。

 だが、彼らは本気だった。今年に入り、「M-1」の予選が始まると、そこに令和ロマンが名乗りを上げた。本稿執筆時点では準々決勝まで勝ち上がっている。

 過去の「M-1」でもチャンピオンが再度エントリーしたことが全くなかったわけではない。優勝経験のあるフットボールアワー、NON STYLE、パンクブーブーは優勝後に再度出場したことがある。

 しかし、令和ロマンのように、優勝した直後から翌年も出ることを宣言して、実際に出てしまったような人はこれまでにいなかった。お笑いファンの間では、そのことが衝撃をもって受け止められている。

「M-1」に出る芸人のほとんどは、そこで活躍することで芸人として認められたい、それをきっかけにテレビで活躍したい、といった夢を持っている。だからこそ、優勝した芸人はそこで目的が達成されたと考えて、再び「M-1」に出ようなどとは考えなくなる。

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