「本予算が成立したら辞めてもらう」 石破首相退陣までのシナリオ… 現役議員に聞くと

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石破退陣までのシナリオ

 では、石破退陣までの“シナリオ”はいかなるものになるのか。

「臨時国会の補正予算までは石破さんでやると思います。能登の復興もありますし、自民党が野党側の要求を受け入れれば、補正予算は成立するでしょう」

 政治アナリストの伊藤惇夫氏はそう語る。

「問題は本予算です。本予算の年度内成立が難しくなった場合、『総理のクビを差し出す代わりに予算を成立させてくれ』という話になるかもしれません」

 政治ジャーナリストの青山和弘氏は、

「本予算は国民民主党などと協力して成立させ、来年6月末の通常国会終わりで内閣不信任案が可決されて解散を選択するパターンも考えられます」

 しかしこの時期までもつれ込むと、

「石破首相のまま衆参ダブル選挙を戦う可能性が出てきてしまう。それでは選挙が厳しいのは必至なので、自民党内では石破さんに本予算の成立までは任せて、その後、どこかの段階で退陣してもらいたいと考える議員が少なくありません」

「党の体制を刷新していただかないと戦えない」

 衆参ダブル選挙について、元自民党事務局長で選挙・政治アドバイザーの久米晃氏はこう語る。

「以前、ダブル選挙を仕掛けた時は投票率を上げるためにやりました。しかし今のご時世、投票率が上がると非自民に票が回ってしまうので、ダブル選挙を仕掛けることはないでしょう」

 いずれにせよ、来年3月末までに成立させなければならない本予算が一つの節目になりそうだ。

 石破首相の責任を追及してきた自民党参議院議員の西田昌司氏はこう息巻く。

「本予算成立後の政治日程としては参議院選挙ということになっていますので、当然、党の体制を刷新していただかないと戦えない」

「次もいないのに……」

 一方、石破首相の“兄貴分”、笹川堯(たかし)元科学技術政策担当相は首相が置かれた現状をどう見ているのか。

「心配し過ぎているよ。でも、本人は一生懸命やろうと思っているんだから、応援してやんなくちゃ。自公で過半数を取れなかった責任は確かにあるけど、次、誰が総理をやるんだ?  次もいないのに責任をうんぬんするのはどうなのか」

 少数与党が政権運営に困らなかった例はかつて一度もない。“次”が誰であれ、自民党の苦境は続く。

前編【「暗い顔でため息ばかり」 外交を巡って批判続出の石破首相の現状…「相談できる相手がいない」】では、側近不足でため息ばかりの石破首相を取り巻く状況について解説している。

週刊新潮 2024年11月21日号掲載

特集「辞任不可避という石破茂首相を待つ地獄」より

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