B級感あふれるマヌケな「偽ニュースサイト」が続々誕生 背後に中国企業の名前が浮上
浮かび上がってきた“中国企業”
いったい何の目的でこんなものを作るのか。ITジャーナリストの三上洋氏は、こんな分析をする。
「どのサイトのドメインも今年4月にアメリカの格安サイトで購入されたもので、香港のサーバーを利用していますから運営者は同じだと思います。サイト自体、極めて稚拙な作りですし、内容も大手メディアの記事を自動的に取得しただけ。そういった意味では、まだ準備段階とみるべきかもしれませんが、ゆくゆくは詐欺サイトに誘導するものになる可能性があります。最近、報道機関をかたるサイトがウェブ広告に掲載されることがあり、そこから暗号資産などの投資詐欺に引き込むという手口が横行しています」
想定されるリスクは他にもある。サイバーディフェンス研究所の三浦壮一郎氏が指摘する。
「調べてみると、中国のあるPR企業の名前が浮上してきます。ただ、ここはサイトを作っているだけで、しかるべき“依頼者”がいると思われます。今のところ、コピー記事が並ぶだけなので意図を推し量ることはできませんが、情報戦の観点では、今後、オリジナルの情報を発信し、それをSNSや掲示板に載せて拡散させることが考えられる。すでにコピー記事がストックされているので信用される可能性が高い」
今なお無法地帯のネット空間。詐欺であれ、フェイクニュースであれ、手口はますます巧妙になっている。