“裏切り者”と呼ばれた男が「DeNA」に帰って来た 「もういいんじゃないか、とわれわれも彼も思っていると思う」

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 プロ野球各球団が来季のコーチ人事を発表している。

 今オフは監督交代が5球団に及び、彼らに請われて職に就いたコーチたちも大勢退団したことから転職ラッシュが発生した。

 そこで目立つのが、直近まで他球団で指導していたコーチの横滑りである。

「ブラックな仕事なので、なり手不足なんです」

 とスポーツ紙記者が語る。

「給料が安く、不安定。拘束時間が長い上、チームが低迷すればファンに罵声を浴びせられますから」

 新米コーチを育てるより、指導歴のある人材を招いた方が手っ取り早いとも。

「他球団の練習方法などを採り入れられますし、敵選手のクセや監督の考え方なども知り尽くしている。以前は“他球団のコーチになる際には、少なくとも1年空ける”という不文律がありましたが、今はそんな仁義もなくなりました」

 26年ぶりの日本一に輝いたDeNAは、三浦大輔監督(50)が引き続き指揮を執るが、新監督が就任した中日、オリックス、楽天にコーチを引き抜かれたため、“内閣改造”を余儀なくされた。

“裏切り者”の烙印

 その中で話題なのが、村田修一氏(43)の野手コーチ招聘(しょうへい)である。彼もロッテからの横滑りだが、

「かつてベイスターズで4番を担い、本塁打王に2度輝くなど個人成績こそ残したものの、素行面などから暗黒時代の戦犯扱いされた。しかも『優勝争いをしたい』と言い残して巨人にFA移籍したので、裏切り者の烙印(らくいん)も押されています」

 新体制を発表したDeNAのチーム統括本部長は、村田新コーチについて、

「過去は清算して、良いコーチとして招いた。もういいんじゃないか、とわれわれも彼も思っていると思う」

 村田が在籍していたのはDeNAの球団買収前。別物といえば別物なのだが、

「古参のファンは、彼の出戻りに複雑な思いを抱いている。本部長の踏み込んだ説明は、彼らに理解を求めたものですが、許されるか否かは来季のチーム打撃成績次第ですね」(先の記者)

 実は今季のDeNAのチーム打率と得点はリーグ1位だった。村田コーチには更なる底上げが求められる。

週刊新潮 2024年11月21日号掲載

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