「松本人志の“イジリ芸”ではもはや誰も笑わない」 芸能界復帰が難しい理由と、復帰する場合の“シナリオ”とは
「世間は納得しない」
むろん、当面の間、地上波への復帰は難しいとみる声も少なくない。
「まず現時点では、どれだけ制作サイドが復帰を望んだところで、決定権を持つスポンサーが首を縦に振ることはあり得ません。そして、固定したスポンサーがいない番組であったとしても、早々の復帰はテレビ局のコンプライアンスに抵触する可能性があると思います」(キー局編成担当者)
その理由は、
「弁論準備手続きの段階で訴訟を取り下げた松本さんは、性加害疑惑についていまだ何の釈明もしていないに等しいからです。文春報道を受けてスポンサーが番組への提供社表示を取りやめた昨年12月末から、状況は変わっていません」(同)
松本は訴訟を取り下げるにあたって、〈かつて女性らが参加する会合に出席しておりました。参加された女性の中で不快な思いをされたり、心を痛められた方々がいらっしゃったのであれば、率直にお詫び申し上げます〉とコメントを出した。確かに謝ってはいるが、自分は悪いと思っていなかったと、全面降伏ではないようにも読める。
前出の影山氏によれば、
「松本さんが復帰するためには、記者会見を開くなどして説明責任を果たす必要があると思います。自らの言葉で一連のスキャンダルにおける最低限の事実関係はもちろん、訴訟を取り下げた経緯や今の考えについて語らなければ、世間は納得しないでしょう」
世界的にヒット
その上で、まずはコンプライアンスが厳しい地上波ではなく、動画配信サービスなどでの復帰が現実的だ。吉本に聞くと、「公表済みのコメント以外の情報発信を行う予定は、記者会見を含めてありません」。
元テレビ東京プロデューサーで桜美林大学芸術文化学群教授の田淵俊彦氏は、
「先月、吉本の岡本昭彦社長(57)がフランスのカンヌに赴き、松本さんが企画を手がけるお笑いバラエティー番組『ドキュメンタル』について講演しました。今回の訴訟取り下げを見越していたかのようなタイミングです」
アマゾンプライムビデオで配信されている同番組は、海外制作のローカル版が好調だ。松本が作った番組のフォーマットが世界の25以上の国と地域に輸出され、各地でヒットを記録している。
「吉本は松本さんをアマゾンプライムで復帰させ、世界的評価を得ていることを日本国内に周知させようとしているのではないでしょうか。そして、世論が“やっぱり彼の才能はすごい”となってから、地上波への復帰を試みるつもりなのかもしれません」(同)
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