「とんねるず」はなぜ、歌手としても評価されるのか 始まりは冗談で出した「一気!」だった

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大反響の武道館ライブ

 11月8・9日、東京・日本武道館で「とんねるず THE LIVE」が行われた。チケットは即日完売、とんねるずの熱心なファンが押し寄せた。一時代を築いたお笑い界のレジェンドコンビが久々に人前に立つということもあって、ライブの模様は朝の情報番組などでも報じられ、大反響を巻き起こした。

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 とんねるずは芸人でありながら、歌手や俳優など幅広い分野で芸能活動を行ってきた。特に音楽活動には力を入れていた。ほんの冗談のつもりで出した「一気!」がスマッシュヒットしたことをきっかけに、彼らの歌手としての歴史が始まった。

 彼らの楽曲のほとんどは、秋元康が作詞、後藤次利が作曲を担当していて、楽曲のクオリティが高かった。80~90年代には「雨の西麻布」「情けねえ」「ガラガラヘビがやってくる」「一番偉い人へ」などの大ヒット曲を連発していた。

 また、その後も、番組スタッフとのユニット「野猿」、DJ OZMAとのユニット「矢島美容室」をはじめとして、数多くの音楽ユニットで活動を展開してきた。石橋・木梨それぞれが別の歌手とユニットを組んだこともあり、音楽はとんねるずのもう1つの本業であると言っても過言ではない。

 芸人の音楽活動には大きく分けて3つのパターンがある。1つ目は、音楽と笑いが初めから一体となっているような活動をしている場合だ。もともとコミックバンドであるクレージーキャッツやザ・ドリフターズはその典型例だ。彼らにとってはもともと「音楽=笑い」であり、コントの中にも音楽的な感覚が含まれている。

 2つ目は、テレビ番組などの企画物として歌を歌ったりする場合だ。地上波テレビに今よりも勢いがあった80~90年代には、バラエティ番組から多くの音楽ユニットや楽曲が生まれていた。番組内で「オリコン何位以内に入らなかったら解散」というような企画が行われることも多かった。

 3つ目は、芸人としての本業とは別の形で音楽をやる場合だ。ビートたけしや明石家さんまのような80年代に爆発的な人気を博した芸人は、一種のアイドル的な存在として人気を博していた。そんな彼らはコミックソングではないシリアスな曲調の楽曲を歌ったりしていた。

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