根拠なく「世界を目指す」を目標に掲げる無責任…“オーディション番組”乱立のカゲで、短命に終わったアイドルの末路

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デビュー前から話題性

「世界で活躍できるアイドルを育成する」というお題目の下、オーディション番組が空前の活況を呈している。地上波のテレビ局だけでなく、動画配信サービスでも多くの番組が配信され人気となっている。なぜこれほどオーディション番組が乱立しているのか。

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 TBS系「SEVEN COLORS -girls life memory-」は新たなガールズグループの誕生、Netflixで配信中の「timelesz project -AUDITION-」はtimeleszの追加メンバーオーディション、ABEMAで配信中の「PROJECT 7」はシリーズ過去最高となる参加者200人が参加した大規模プロジェクト、さらにYouTubeやHuluで配信中の「STARLIGHT BOYS」は韓国・中国合作のサバイバルオーディション番組、といった具合にかつてないほどの数に膨れ上がっている。

 オーディション番組に詳しい音楽ライターがこう指摘する。

「デビューをかけて参加者同士が熾烈な生き残り競争を繰り広げることからサバイバル番組、通称サバ番と呼ばれています。韓国の音楽専門チャンネルMnetで2015年に放送された『SIXTEEN』は韓国の大手芸能事務所・JYPエンターテインメントの女性練習生のうち9人の合格者で女性アイドルグループ・TWICEが結成されました。

 2018年には同じMnetで日韓合同プロジェクト『PRODUCE 48』が放送され宮脇咲良を含む合格者12人によりIZ*ONE(アイズワン)が同年10月にデビュー。その後、国内の関心が集中したのがJYPとソニーミュージックによる『Nizi Project(ニジ・プロジェクト)』です。日本テレビが全面支援し同プロジェクトから20年12月にデビューした9人組ガールズグループ・NiziU(ニジュー)は大成功を収めました。日本の音楽業界や放送業界は第2、第3のNiziUを狙ってサバ番の企画に一斉に舵を切り始めたのです」

 テレビ局関係者によると、サバ番自体、それほど高い視聴率を記録することは少ないが、“おいしい”ポイントがたくさんあるという。まず挙げられるのはデビュー前から話題性を高められること。

「サバ番ではオーディションに参加している練習生の汗や涙、苦悩や挫折などを描けるため特定の練習生にはデビュー前から多くのファンが付きます。こうして話題性を高めていくことでデビュー後のテレビ出演やファンクラブ加入者の増加、CDの販売増加などに繋がっていくわけです。しかも、最終選考に落ちたとしても伸びしろが期待される練習生を抜擢して複数のアイドルグループを世に送り出すことが可能です。

 韓国のCJ ENMと吉本興業、TBSがタッグを組んだ23年開催の『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』からは最終メンバー11人で結成したME:I(ミーアイ)がデビュー。惜しくもデビュー組から脱落した練習生4名で結成されたIS:SUE(イッシュ)も今年6月にデビューして人気を集めています」(テレビ局関係者)

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