「佐々木朗希」メジャー移籍に恩師「吉井監督」の“本音”は? 「大谷翔平=栗山監督」との“決定的な違い”とは
プロ野球千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手がポスティングシステム(入札制度)で、MLBへ移籍をする。プロ5年目、23歳のオフでのMLB挑戦はロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平投手とまったく同じレールを歩むことになった。米国では佐々木の評価も大谷と同じく高校生の頃から高かった。投手としてのポテンシャルは大谷以上と判断して「佐々木詣で」を続けた球団も多数あった。本来なら称讃とエールの中、送り出されるはずが、佐々木のMLB移籍は、日米でヒーローになった大谷とは逆にモヤモヤ感が広がる。この差はどこにあるのだろうか?
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11月17日、ZOZOマリンスタジアムで、今季の千葉ロッテマリーンズのファン感謝祭が行われた。開会式で佐々木は挨拶に立ち、「これまでいただいた熱いご支援、厳しい激励も全て力に変えてアメリカで頑張ってきます」と述べた。これがロッテの移籍容認後、初めての肉声となる。ブーイングなどはなく、その後の2ショット撮影会でも、ファンからは温かい言葉がかけられていたという。
同じ開会式で、ロッテの吉井理人監督は「朗希は5年間所属して、すごく貢献してくれました。心から温かく送り出したい」と挨拶した。もっとも、その5日前、秋季キャンプ最終日後の囲み取材では、「俺も行ったからわかるけど、向こうは厳しいですよ…」と釘を差すのも忘れなかった。
夕刊紙記者は言う。
「吉井監督は実直な一言居士タイプで、マスコミにリップサービスなどもしない。発言にすごく気を付ける監督です。それがわざわざこの一言ですから、やっぱり移籍には思うところがあるのではないか…と推測する記者が多かったですね。吉井監督は監督になって以来、常に佐々木の防波堤になってきた。それが“この時期”での移籍ですから」
譲渡金は20分の1
佐々木のMLB挑戦に「異議あり!」の声があがるのは、ロッテでの5年間で残した「結果」に納得していないファンが少なくないからに他ならない。佐々木はプロ5年で通算登板64試合29勝15敗、大谷は同じ5年間で85試合に登板して42勝15敗。これに48本塁打、166打点の“二刀流の打撃“が加わった上に、2016年には10勝22本塁打をマークし、日本ハムの10年ぶりとなる日本一に大きく貢献、MVPに輝いた。佐々木は入団時、日本の投手の最高の栄誉とされる沢村賞を獲りたいと宣言した。しかし一年間ローテーションを守ることは一度もなかった。チームの成績も、5位が1回、3位が1回、2位が3回。日本シリーズの出場は1度もなかった。
25歳よりの前の移籍であるため、メジャーではマイナー契約となり、ロッテに入る譲渡金は3億弱になると見られる。一方、25歳までNPBで過ごし、メジャー契約で移籍した場合は、山本由伸と同レベルの評価と仮定したとして譲渡金は70億円超。その差は20倍以上となる。
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