「石丸新党」に続き「斎藤新党」もありえる政治不信の常態化
「都議になろうという方」
石丸伸二・前広島県安芸高田市長は12日、2025年夏の都議選に向けて地域政党を結成する旨を表明した。永田町の受け止め方をひとことでまとめれば「不気味」ということになるだろうか。それは17日投開票の兵庫県知事選で当選を果たした前知事の斎藤元彦氏への世間の評価とも通じるところがあるのだという。
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石丸氏は自身のYouTube番組で、「東京都議選に向けて地域政党を作ろうと思います。都議になろうという方は準備を始めてください」と述べ、その後、専門家らとの座談を通じて、地域政党への思いを語った。
地域政党である大阪維新の会の幹事長で大阪市長の横山英幸氏は「めちゃくちゃいいと思いますね。石丸新党っていうのは、非常に発信力があると思うので、どんどん活動いただきたい」と評価した。
ブレない岩盤支持層を
石丸氏は今年7月の都知事選で約166万票を得て、小池百合子知事に次ぐ2位となった。「立憲民主党の参院議員だった蓮舫氏と小池氏の一騎打ちという大方の予想を覆す結果で中央政界にも少なからず衝撃を与えました」
と、政治部デスク。
「既存政党、既存メディアに対する不信感を強く持つ層から特に支持された印象です。古い言葉ですが“勝手連”的に支持者が集まって、それぞれがそれぞれのやり方で動画にアップし、それが拡散されて行ったというのが特徴的でした」(同)
選挙後の速報番組での一部メディアを敵に回したかのような振る舞いも物議を醸した。
「あの手のインタビューはある意味で出来レースなわけですが、これまで石丸氏のような対応を取る候補者はほぼいませんでしたから新鮮でした。不遜な態度だという意見もありましたが、石丸氏の支持者にとっては痛快に映ったことでしょう。選挙は引き算ではなく足し算なので、何があってもブレない岩盤支持層を形成できれば強くなりますよね」(同)
答える覚悟のある方のみご連絡下さい
石丸氏はX上で「#地域政党 に関して #マスメディア から幾つか問い合わせを頂いています。まず、当方からそれぞれの報道姿勢について問い質しますので、答える覚悟のある方のみご連絡下さい(記録・公開します)。なお、記者会見までにもYouTubeチャンネル等で情報は発信していきます」と発信した。
「メディアにケンカを売るようなやり方にも見えますし、そんなことをすれば立ち行かなくなると考えるのがこれまでの感覚なのでしょうが、メディア側も無視できないし自身の支持層を意識した上での行動ということなのでしょう。現場の記者が“さらされて”スケープゴートになる懸念を口にするメディア幹部もいました」(同)
ところで、今回の「石丸宣言」について、永田町はどういった反応なのか。
「ひとことでまとめれば不気味だということでした。都知事選同様かそれ以上に支持を集める可能性がありますし、事実上の全国政党化が難しくなった日本維新の会を中心に元国会議員や元地方議員らが集まってくることが想定されます。そういった面々は石丸氏の一挙手一投足に注目していることでしょう」(同)
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