「あんなのは漫才じゃない」 M-1優勝も大論争が…「二冠王者」野田クリスタルが今も支持される理由
2つの種目で頂点
お笑い界には、若手芸人が目標とする注目度の高いお笑いコンテストがいくつかある。その中で、漫才日本一を決める「M-1グランプリ」とピン芸日本一を決める「R-1グランプリ」の2つを制したことがある「二冠王者」は、今までにたった2人しかいない。それが、霜降り明星の粗品と、マヂカルラブリーの野田クリスタルである。
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コンビの「漫才」と個人の「ピン芸」という性質の違う2つの種目で頂点を極めた彼らは、間違いなくお笑い界屈指の超実力派芸人である。
粗品は芸人として舞台やテレビに出演するだけではなく、YouTubeでギャンブルに大金をつぎ込む様子を発信したり、時事ネタについて語ったり、本格的な音楽活動を行ったりして、世間に話題を振りまいている。
一方の野田も、ライブやバラエティ番組などに出演する一方、ゲームの制作をしたり、パーソナルトレーニングジムのプロデュースを行ったりするなど、多方面で才能を発揮している。
ただし、野田がこれまで恵まれた道を歩んできたエリート芸人なのかというと、決してそんなことはない。若くして始まった彼の芸人人生は苦闘の連続だった。
子どもの頃から冗談を言って周囲を笑わせるようなキャラクターだった彼は、自分のセンスに絶対的な自信を持っていた。
高校1年のときに友人とお笑いコンビを組んで、当時の大人気番組だった「学校へ行こう!」(TBS系)の「お笑いインターハイ」という企画に出演して、優勝を果たした。15歳で鮮烈なテレビデビューを飾った彼は、自信を深めてますます調子に乗った。別の相方とコンビを組んで16歳で吉本興業所属の芸人になった。
しかし、ここで大きな挫折を味わうことになった。コンビの活動は上手くいかず、解散することになってしまった。解散後は吉本を離れて、ピン芸人としてインディーズのお笑いの世界に足を踏み入れ、地下ライブで活動するようになった。
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