予想外のDeNA「ドラ1」に「独立リーグ」選手の指名増 「ドラフト会議」今だから明かせる“意外な指名”の裏側

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各球団のスカウト陣は既に2025年目を向けている

 筆者も、ある高校生のドラフト候補の取材で学校を訪れた時に面談に訪れていたスカウトと居合わせたことがあるが、話を聞くだけでなく柔軟性のチェックなどをしてその様子を写真や動画におさめていた。それを球団に持ち帰って専門家の判断も参考にするのだという。

 一方で、独立リーグでは今年四国アイランドリーグが6月に所属する全選手を対象にした測定会を行っており、NPB球団のスカウトが視察に訪れている。このような取り組みが奏功したとも言えそうだ。

 ただ、スカウティングが組織化され、データを重視することに対してマイナスの部分もあるのではないかという意見があることも事実だ。前出のスカウトはこう話す。

「選手を評価するのにデータが必要なのはもちろんですが、あまりにそればかりに頼るのは危険だと思いますね。あくまでもデータはその時の姿を切り取ったものであり、そこからさらに良くなることも悪くなることもあります。アマチュアの選手はプロと比べて劣っているのは当たり前で、そこからどこまで伸びるかということを見極めるのがスカウトにとっても重要なはずです。データを重視し過ぎると、そういう将来性の部分を見誤ることもあるのではないでしょうか。スカウトが選手を判断、評価するのはそんなに簡単なものではないと思います」

 2024年のドラフト会議は終わったばかりだが、各球団のスカウト陣は既に2025年のドラフトに向けて動き出している。今年の結果を受けて来年のドラフトではどんな傾向が見られるのか。引き続き“金の卵”を探す戦いに注目だ。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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