横浜、新宿、東京…ターミナル駅の発車メロディがまさかの「サイレント変更」 「音鉄」からは懸念の声

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駅メロの「多様性」

 それがなぜ、今回のメロディ変更で物議を醸したか。駅メロの「多様性」が失われてしまうことを、ファンは心配しているようだ。ご当地メロディを除外しても、数駅でしか採用例がない曲を含めて3桁にのぼる現在の曲たちが、全廃といかないまでも主要路線で聴けなくなるのではと懸念している。

 鉄道ファンの世界は引退列車や廃止路線など、「失われるもの」への愛着が強いゆえ、余計な憶測や心配を生んでもいる。

 また、今後2030年代にかけて都心の過密線区でも推進されるワンマン化とも無関係ではない。ワンマン化された路線ではメロディは統一する方針が続いていて、ご当地メロディを使用していた駅でも容赦なく曲が変わった。

 前出の茅ヶ崎駅相模線ホームでの「海 その愛」や八王子駅八高線ホームの「夕焼け小焼け」もワンマン化で聴けなくなっている(やや紛らわしいが、近年ワンマン化された線区では、今回新宿や東京などで差し替えられた汎用メロディを使っている。また識別のためか、方向別で曲も分けている)。

 合理化には当然メリットもあり、路線でメロディが統一されればターミナル駅でも判別は容易だ。新メロディの感想も賛否が分かれているが、結局は聴く人の主観となる。

 ただ現状では、同じ路線の上下線で同一のメロディを用いているため、単独駅ではどちらの方面に電車が来ているかわかりにくい。山手線を例にとれば京浜東北線との並走区間なら問題はないが、島式ホームの単独駅で新メロディを導入となると混乱が生じるかもしれない。

 新宿駅などで差し替えられた楽曲は、20年近く使われて乗客に親しまれていた。ご当地メロディも地域のシンボルになっている。果たして多彩な駅メロ文化がどうなるか、当分は静かに注視するしかなさそうだ。

デイリー新潮編集部

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