「愛を説明するのが不可能なように、死後生を論理的に説明するのは不可能」 横尾忠則が確信する“あの世”の存在
昔、といっても20年くらい前のことです。一般的に狂言には舞台装置などはないのですが、茂山狂言で初めて衣装や、小道具、舞台美術などを導入した「梅原猛スーパー狂言」で、しばしば梅原さんと顔を合わせていたある日、「横尾君、人間は死んで、あの世に行ったら、何もかもがこの世と全く正反対になるらしいよ」と言うのです。「人も向こうでは逆立ち状態で歩いているらしい」と。
「先生、そりゃ向こうはこちらとは相対的な世界だと思いますが、人間はこちらと同じ状態で足で地面を踏んで歩きますよ」と僕は妙に生真面目になって返答しました。...