「こういう生き方もあるよ、と」 音楽座「森 彩香」が舞台から届けたいこと
入座後は次々と大役に抜てき
入座後は次々と大役に抜てきされた。サン=テグジュペリ作「星の王子さま」のミュージカル権を世界で唯一獲得した「リトルプリンス」では王子の役、遠藤周作の「わたしが・棄てた・女」を原作にした「泣かないで」では森田ミツ役、浅田次郎原作の「ラブ・レター」ではナオミ役。少年から陰のある女まで多彩だ。
「演じる役に“伴走させてもらっている”感じです。舞台に立つたびに人間としても成長させてもらっています」
最近は声優としても活躍。アプリゲーム「ポケモンマスターズEX」のトロバ役、海外ドラマ「クリミナル・マインド」のハーロー役と“芸域”は広がるばかり。
「声優さんは単に台本を読んでいるのではなく、体をちゃんと使って心のやり取りをしている。その役になり切って作品を愛している。私も刺激を受けました」
入座して10年目となる来年は「リトルプリンス」が一年を通して上演される予定だ。
「王子を演じて人生が変わりました。私たちには届けたいものがあり、届けたい人がいる。一人でも多くの人に音楽座ミュージカルを知ってほしいと思います」
最初の印象こそ「嫌い」だったが、それをきっかけに人生が変わり、今や先頭に立って音楽座ミュージカルをけん引する森である。