「病気の母が心配で」「200億円の資産で優雅な逃亡生活」 FC2創業者がこのタイミングで帰国した理由
長期逃亡犯には協力者の存在が欠かせない。だがこの人物は、国際手配されながらも独り気ままに海外を転々としていた。そして“自己都合”で10年ぶりに帰国し、逮捕されたのだ。
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動画投稿サイト「FC2」の創業者、高橋理洋(りよう)容疑者(51)のことである。京都府警担当記者が言う。
「11月7日に京都府警などがわいせつ電磁的記録記録媒体陳列容疑で高橋を逮捕。2013年6月、いわゆる無修正動画を不特定多数の人が見られるようにした疑いです。高橋が韓国の金浦空港から関西空港に着き、入国審査を終えたところで身柄を押さえました」
3時間前に入国情報をキャッチ
事件を巡っては14年9月、FC2に捜査のメスが入り、
「15年8月には府警が高橋の逮捕状を取得しました。本人は当時ロサンゼルスに居住していたので捜査の手は及ばず、逮捕状が出ても帰国しませんでした。そのため府警は、出入国時に容疑者の身柄を押さえられるよう“国際海空港手配”の手続きを行った。逮捕状も16回更新しています」
今回の逮捕はその執念が実った格好ではあるが、
「府警が入国情報をキャッチしたのは約3時間前。捜査関係者も“寝耳に水だった”と漏らしていました」
突然の帰国の顛末をたどる。
ロスやハワイ、ドバイを拠点に
まずは高橋容疑者の来歴を確認しておきたい。社会部デスクによれば、
「大阪府茨木市の出身です。花屋を経営していた父親の勧めで、高校卒業後にロスのコミュニティーカレッジに留学。その後、起業の道を選びました。1999年7月、実弟とともにアメリカで『FC2社』を設立し、FC2を開設したのです」
社名は父親の会社名の頭文字を取り、2代目の意味で「2」を付けたのだとか。
「FC2はブログサービスで多くの利用者を獲得後、動画投稿サービスも開始。アダルトコンテンツの投稿も可能にしたことでさらなる成長を遂げ、2010年代にはサイト会員数が2600万人を超えた。同時に、違法なアダルト動画配信やドラマなどの無断転載も問題視されるようになりました」
結果、大阪市内にあるFC2社の関連会社が動画投稿サイトの実質的な運営元として摘発された。
「関連会社の相談役だった実弟らが15年以降に逮捕され、のちに執行猶予付きの有罪判決を受けています。高橋は捜査のメスが入ったあと、日米双方の会社経営を離れ、株も手放しました。ですがFC2で築いた資産は200億円ともいわれ、逮捕状が出てからもロスやハワイ、UAEのドバイにタイ、韓国などの拠点を行き来していましたね」
つまりは、国際手配犯の身で優雅な隠遁生活を送り続けていたわけだ。
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