自公そろってトップが鉄オタに… 自作“運行ダイヤ”が採用された公明党新代表の知られざる鉄道愛
国土交通大臣から退くことでの「危惧」
筆者は、2024年6月にリニア沿線の知事たちが国土交通大臣に建設を促進するように陳情書を渡す場面を取材している。そのときも斉藤大臣の語り口は淡々とし、自身の個を前面に出すような性格は変わっていなかった。
新代表就任に伴って、国土交通大臣は同じ公明党の中野洋昌氏へと交代した。今後は新代表として立ち回ることになるが、危機的状況の公明党だけに鉄道に没頭する時間も削られることになるだろう。 首相に就任した石破氏も鉄道に関する発信が大幅に減少しているが、同様に斉藤氏の鉄道マニアっぷりを目にする機会も減少するだろう。
新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年以降、鉄道業界は盛り上がりを欠いている。2023年頃から再び売上をV字回復させているが、その一方で沿線人口の少ないローカル線の廃止議論は喧しい。今、斉藤氏の選挙区を走る芸備線も危機的状況に追い込まれている。
ローカル線の存廃は売上や利益だけではなく、政治力が左右することも珍しくない。それだけに、鉄道愛を内に秘めていた斉藤氏が国土交通大臣から退いたことで、ローカル線の廃止議論が加速する可能性は高まった。