自公そろってトップが鉄オタに… 自作“運行ダイヤ”が採用された公明党新代表の知られざる鉄道愛
10月27日に投開票された衆議院議員選挙は、石破茂総裁が事前に勝敗ラインとして設定した自公で過半数を大幅に下回る惨敗を喫した。自民党が大幅に議席を減らしたことで、今後の政権運営は不透明になりつつある。
【写真】ニコニコ超会議には公明党のブースも…「こうめい鉄道部」の斉藤氏 ほか
その一方、連立を組む公明党も議席を大幅に減らしたうえ、新代表に選出されたばかりの石井啓一氏が落選。公明党にとっても衝撃的な衆院選になった。
選挙後、石井氏は責任を取って代表を辞任。新岸田・石破両内閣で国土交通大臣を歴任した斉藤鉄夫氏が新代表に就任している。
いまや公明党の常任ポストと化している国土交通大臣だが、その中でも斉藤氏は適任との呼び声が高かった。なぜなら、斉藤氏は公明党きっての鉄道マニアでもあるからだ。
石破・前原に隠れた「鉄オタ」
政界で鉄道マニアといえば、現職首相の石破茂氏や日本維新の会の前原誠司氏を真っ先に思い浮かべる人は少なくないだろう。また、前任の石井啓一代表も国土交通大臣経験者で鉄道マニアだったとの触れ込みもある。
石井氏が鉄道マニアだったかどうかはひとまずおくとして、石破・前原の2人に隠れてはいるものの、斉藤氏も決して鉄道マニアとしてヒケを取らない。
斉藤氏は2008年から2009年にかけて福田康夫内閣で環境大臣を務めたが、当時から鉄道が好きで鉄道の話をたびたび披瀝する機会があった。それは岸田内閣で国土交通大臣に就任しても変わらず、執務室には大量の鉄道模型が飾られていたことからも垣間見える。
「自分の名前が鉄夫だから、鉄オタ」
筆者が斉藤氏の鉄道話に遭遇したのは、2017年4月に千葉県千葉市の幕張メッセで開催されたニコニコ超会議でのことだった。昨今のニコニコ超会議からは政治色が完全に消えているが、当時は自民党や公明党、民主党、はじめは多くの政党が積極的にニコニコ超会議にブースを出展していた。
公明党のブースでは、こうめい鉄道部を一時的に結成して、斉藤鉄夫・伊藤渉・新妻秀規・三浦信祐の公明党4議員が登壇。4議員は“鉄ちゃんはつらいよ”と題したトークイベントを実施した。
同トークイベントで4人がそれぞれの鉄道にまつわる話を披瀝していたが、なかでも伊藤渉議員はJR東海に入社して実際に東海道新幹線の運転士経験を持つという、稀有な国会議員でもあった。
そんな鉄分の濃い4人の中で、斉藤氏は「自分の名前が鉄夫だから、鉄オタ」と話し、時刻表検定5級に合格したことにも触れた。しかし、時刻表検定5級は鉄道マニアとして驚くような知識量ではない。トークの内容もわりと平凡で、鉄道知識はそれほど持ち合わせていないような口ぶりだった。しかし、それは斉藤氏の控えめ性格からくる謙遜だった。
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