爆上げは続くのか? 米国株のプロが予想する「トランプ2.0で起きること」

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「敵の敵は味方」

 そんなアメリカの大手企業の中でも、今回のトランプ氏の勝利から最も恩恵を受けそうなのがイーロン・マスク氏です。

 マスク氏はここ数カ月、選挙で激戦州のペンシルベニア州での対話集会や、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンでトランプ氏をサポートする演説を行うなどトランプ氏にとって最も強力な支援者でした。マスク氏は、今回の大統領選挙キャンペーンで個人的に300億円程度の資金を提供したとも言われています。

 トランプ氏にとってマスク氏は今回の選挙の大切な恩人となりました。

 では、なぜ彼がトランプ氏をここまで強烈に応援したかというと、バイデン政権下の監督庁が、マスク氏のスペースXなどの規制を強化してきたという背景があります。バイデン氏はマスク氏を嫌っていたように見えました。

 大統領時代のトランプ氏とマスク氏との関係は、協力と対立が交錯する複雑なものであっと言います。そこに、バイデン大統領というより強力な敵が現れたことで、マスク氏はバイデン氏に対抗するトランプ氏に近づきました。「敵の敵は味方」という非常に分かりやすい構図と言えます。

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 この記事の後編では引き続き、今回の選挙でイーロン・マスク氏が得たリターンや、テスラ以外に「トランプ2.0」の恩恵を受けそうな企業の「実名」について、マネックス証券の岡元兵八郎氏の解説をお届けする。

岡元兵八郎
マネックス証券の専門役員。専門である外国株のチーフ・外国株コンサルタントのほか、マネックス・ユニバーシティ投資教育機関のシニアフェローも務める。元Citigroup/米ソロモンブラザーズ証券のマネージング・ディレクター。外国株に30年以上携わるプロフェッショナルで、関わった海外の株式市場は世界54カ国を数える。海外訪問国は80カ国を超える。米国株はもちろんのこと、新興国の株式事情にも精通している。ニックネームは「ハッチ」。Xアカウント名 @heihachiro888

デイリー新潮編集部

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