「石破」と「安倍」を言い間違い 岸田前首相の深層心理にある野望とは
居眠り疑惑まで
石破茂氏は11日の衆議院本会議で行われた首相指名選挙の決選投票を経て、第103代の首相に選出された。衆院選で少数与党に転落し、前政権時代から引きずる裏金問題には決着のメドが立たず、国会での居眠り疑惑まで指摘される中、「石破政権は来夏の参院選まで持つのか」といったことがしばしば語られているという。
11日の衆院本会議での首相指名選挙の間、石破氏がしばらく目をつぶってうつむく場面があり、林芳正官房長官は「(首相は)深夜まで多忙を極める毎日を送っているが、本日は風邪気味で風邪薬を服用していたと聞いている」と説明したが、世間からは「多忙なのはわかるが首相を決めるタイミングなのに緊張感がなさすぎる」から「薬を盛られているのでは」まで、さまざまな声が飛び交った。
「石破氏はショートスリーパーで知られており、そうそう居眠りするタイプではないので、うたた寝しているように見えるシーンについては意外な印象を受けました」
と、政治部デスク。
官邸の空気も
「もちろん首相を決める投票ではありますが、その一部始終を見守るべきだという批判もやや的外れでしょう。ただ、忙しすぎて余裕もなくなってカメラが狙っていることにも自覚的でなかったのだとしたら少し気になりますね。10月1日に第1次石破内閣が発足してからほとんど良いことがありませんから」(同)
政権発足間もない中でも支持率は芳しくない。少数与党に転落したため反転攻勢の決め手も打ち出し辛い状況のようだ。
「こうなると当然、官邸の空気もギクシャクしてきますよね。石破氏がこれまで主張したり総裁選で訴えたりした政策に注力できるのはしばらく先になりそうですね」(同)
自民内では「手間ひまカネをかけて総裁を選んだばかりなので石破おろしが吹く気配はない」との見方が支配的だ。もっとも年が明け通常国会で来年度予算案の審議が佳境を迎える2~3月が山場だというのも衆目の一致するところだ。
選択肢がない
「閣僚のスキャンダルや失言が重なれば事情も違ってきますが、そういったものを乗り越えて行ければ早期の石破退陣というのは現実的ではないですね。石破氏以外の選択肢がないというのが1番の理由です。前の経済安保相で石破氏と総裁選の決選投票を争った高市早苗氏の名を挙げる向きもありますが、石破氏同様、党内基盤が脆弱で、そもそも推薦人が足りなくて総裁選に出られるか否か微妙だった人です。国民人気が高いとの評もありますが、それは石破氏もかねがね言われていたこと。総裁選から1年未満でまた新たな総裁を選ぶというのも選挙対策だと足元を見られかねず、結果的に自民党への支持を下げるだけの可能性があります。そのため、石破おろしの動機につながりにくいのではと見られています」(同)
現状では石破内閣のまま来年7月の参院選に突入しそうだということになる。
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